生物機能化学科
バイオサイエンスとバイオテクノロジー
私たち生物機能化学科では、<バイオサイエンスとバイオテクノロジー>を共通のキーワードとして最先端の教育と研究が行われています。本学科の研究分野は大変多岐に渡っています。植物、動物、微生物などの生物の示す生命現象の発現機構に関わる基礎的研究を通じて、食糧、健康、資源エネルギー、環境など、人類の生存にきわめて重要な基本的な課題を解決しようというのが、私たちの大きなねらいです。
本学科は、バイオテクノロジーなどを手段としたバイオサイエンスの担い手を育て、遺伝子から地球生態系までを研究対象として人類の生活の質の向上に貢献することを使命としています。
学科スケジュール
生物機能化学科は「化学」を研究の手段として農業およびその関連産業の発展に寄与するために設けられた学科であるため、化学の講義および化学実験に相当数の時間を割いています。2年生・3年生前期には必修として生物機能化学専門科目全般の講義を一通り行い、生物機能化学における基礎実験の実習を行います。
1年生全学教育、年度末に学科を決める
2年生生物機能化学科に進学基礎科目・選択科目・実験科目を履修
4月
学科オリエンテーション、歓迎会
10月
学生実験開始、大滝研修旅行
2月
学科追いコン
3年生選択科目・実験科目を履修前期で研究室を決め、後期から配属
4月
新学科移行生歓迎会
7月
研究室分属説明会、分属研究室決定
9月
企業見学旅行(東京)
2月
学科追いコン
4年生卒業研究・卒業論文を書く
4月
新学科移行生歓迎会
8月
農学院入試(前期)
2月
農学院入試(後期)、学科追いコン
3月
卒論発表会、学位記授与式
OB・OGの進路
- 約7割の学生が大学院に進学します。
- 学びの幅広さがそのまま就職の出口にも反映され、バラエティーに富んだ就職実績を誇ります。
- 就職先は醸造、醗酵、一般食品、調味料、食用油脂、製菓、製糖、飲料、乳製品など食品製造関係の会社が最も多く、次に化学工業、医薬、農薬、香料、化粧品、肥料、農業関係会社、環境産業関係の順。国や地方の官庁、農業団体、大学、高校にも就職しています。
卒業後の進路
平成26 年度(37 名)
【就職先】
札幌市、神奈川県庁、サカタのタネ、ダウ・ケミカル日本
【他大学進学】
北大生命科学院、東京大学大学院、京都大学大学院、海外大学院
平成25 年度(35 名)
【就職先】
日本政策金融公庫
【他大学進学】
北大生命科学院
平成24 年度(37 名)
【就職先】
協和発酵バイオ
【他大学進学】
北大生命科学院、東京大学大学院
卒業生の声
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be(Thinking)!
食と健康で社会の役に。研究成果を活かして企業へ
生物機能化学科 卒業前川 敏宏サントリーウエルネス株式会社 健康科学研究所 -
be(楽しめる人)!
北大で出会った一生もののテーマ「乳酸菌」研究
生物機能化学科 卒業土橋 英恵株式会社明治 研究本部 食機能科学研究所 乳酸菌研究部 -
be(positive)!
自分で考えることの面白さを教えてくれた北大の授業
生物機能化学科 卒業吉崎 由美子鹿児島大学農学部附属 焼酎・発酵学教育研究 センター 特任助教 -
be(Smiley)!
自分へのチャレンジ!新たなテーマで博士号を取得
生物機能化学科 卒業瀬戸 義哉東北大学生命科学研究科 助教 -
大学から社会へ。将来への足がかりを研究する
生物機能化学科 卒業渡辺 雄大アステラス製薬株式会社 安全性研究所 -
be(諦めの悪い奴)!
必ず答えはある。そう信じて最後の最後まで粘り抜く。
生物機能化学科 卒業榎本 匠カルビー株式会社 研究開発本部 開発3部 シリアル課 課長
学科での学び
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植物の持つ様々な特性や機能が、土壌からの養分獲得やミネラルストレス耐性にどのように貢献しているかを生理・生態学的に学び、作物生産性向上や自然生態系保全を目指します。特に、土壌と植物根の境界面(根圏)における様々な元素の動態に注目します。
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土壌は地球環境の主要な構成要因で、生物生産の場、物質の移動場として重要な役割を担っています。土壌の化学的、物理的性質を把握し、土壌を介する物質の生物地球化学的循環を現地で観測し、それらの関係を詳しく学びます。環境に配慮した土壌管理方法、生物生産増大技術の確立を目指します。
キーワード: 土壌と農耕地の管理,地球温暖化 -
様々な生命現象に関わる生物活性物質の精製、化学構造の決定、化学合成および機能について学びます。さらに、有機化学だけでなく生化学や分子生物学に関する知識を身につけることができます。生命現象を理解し応用することで、社会に貢献することを目指します。
キーワード: 生物の有機化合物,植物と微生物の関係 -
生物は、様々な化学反応の連鎖(代謝)により物質を分解・合成します。個々の化学反応を触媒する酵素の理解は、代謝、ひいては生命現象の理解につながります。植物や微生物が持つ酵素について、物理化学的特性、細胞内局在性、遺伝子発現特性を解析し、生化学、分子生物学、生理学の観点から酵素の性質を明らかにします。
キーワード: 酵素,生物の有機化合物 -
微生物の発酵を利用した有用物質生産の効率化や新しい酵素変換反応プロセスの開発、さらには腸内細菌の科学的理解と有効利用のために、微生物の生理機能や生態について微生物学的、生化学的、分子生物学的に学びます。
キーワード: 発酵, 腸内細菌 -
ヒトの理想的食物組成と摂取方法を理解するため、各種栄養素に特徴的な生理作用、さらにそれらの食物中でのバランスと生体反応の関係を、生理学や生化学の切り口から学びます。
キーワード: 栄養,代謝分析,末病,消化管ホルモン -
食品などの天然素材が持っている健康に役立つ作用を、分子レベルから理解するため、どのような分子がどのように我々の健康維持に役立つかを化学的な視点から学びます。また、食品による腸内微生物叢の変化を介して宿主の生理機能がどのように変化するか、それがアレルギーやメタボリックシンドロームの予防・改善にどう繋がるのか、実験動物と培養細胞を用いて生理学的に追求します。
キーワード: 機能性食品,腸内細菌 -
植物の根の周囲や体内には様々な微生物が棲息し、植物の養分吸収やストレス耐性、発病などのプロセスで重要な役割を果たしています。これらの微生物の機能や生態を理解すると共に、その活動を制御し、持続的農業や環境修復に役立てるための基礎や応用について学びます。
キーワード: 植物と微生物の関係,人間活動と環境資源 -
主な研究課題:イネいもち病菌の突然変異機構の解明、高機能型フィターゼの探索と開発、ワイン製造過程における微生物動態の解析、微生物菌株の保存・管理(AHU菌株保存室)
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主な研究課題:物質循環、土壌・植物中窒素動態、環境負荷の少ない農業