森林科学科
環境の保全と森林資源の有効活用を考える
「森林の破壊、地球温暖化、種多様性の維持…」皆さんがよく耳にする言葉だと思います。今日、私たちにとって、自然環境の保全とリサイクル型の資源利用が、将来への重要な課題となってきています。こうした課題に答えるため、多様な森林の育成・利用、またより良い自然・生活環境の保全をめざした総合的な教育・研究を行っているのが森林科学科です。
森林科学科では、自然科学と社会科学の両分野を基礎に、学内での講義や実験に加えて、広大な研究林を活用した野外実習により、森林とその生産物の利用について学んでいきます。森林と人間社会との調和のとれたあり方について考えています。
学科スケジュール
本学の森林科学科は日本で最も伝統のある森林科学科です。自由と自立を掲げ、森林に分け入り自らの力で学ぶことを大切にしています。2年生の後期からは、北方生物圏フィールド科学センター研究林での実習がスタート。夏の苫小牧研究林実習や冬の雨龍研究林で行われる登山実習など、本学科ならではの実習が用意されています。
1年生全学教育、年度末に学科を決める
2年生 森林科学科に進学基礎科目・選択科目・実験科目を履修
3年生選択科目・実験科目を履修前期で研究室を決め、後期から配属
4年生卒業研究・卒業論文を書く
OB・OGの進路
- 約5割の学生が大学院に進学します。
- 中央官庁(農林水産省林野庁・環境省・国土交通省)、都道府県、市町村などの公務員も多数輩出。
- 貿易会社やコンサルタント・パルプ、・製紙・化学・製薬・木材・楽器・住宅・緑化などに関する企業、農林中央金庫、教員、報道機関、海外協力事業団など、一次産業から三次産業に渡って卒業生が活躍しています。
卒業後の進路
平成26 年度(35 名)
【就職先】
農林水産省、国土交通省、神奈川県庁、パシフィックコンサルタンツ
【他大学進学】
北大環境科学院、東京大学大学院、京都大学大学院
平成25 年度(39 名)
【就職先】
林野庁、北海道庁、香川県庁、ファーム冨田、森林総合研究所、ホクト産業、ミサワホーム
【他大学進学】
北大環境科学院、東京大学大学院、京都大学大学院
平成24 年度(36 名)
【就職先】
福島県庁、王子木材、LIXIL
【他大学進学】
北大文学研究科、北大環境科学院、北大公共政策大学院、東北大学大学院、岩手大学大学院
卒業生の声
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be(creative)!
「川」の研究でカナダ、アメリカ、タイ、今は九州へ
森林科学科 卒業笠原 玉青九州大学農学研究院 環境農学部門 森林環境科学講座 流域環境制御学分野 准教授 -
be(がむしゃら)!
雄大な北海道の森の中、未知なる菌類の世界に魅せられて
森林科学科 卒業平田 美紗子林野庁 関東森林管理局 静岡森林管理署 業務課 (2011年12月現在育児休業中) -
be(無我夢中)!
北大の授業を通して見えてきた製紙業界への道
森林科学科 卒業橋本 俊市王子板紙株式会社 名寄工場 事務部 -
be(自分らしく)!
「木材利用が環境にいい」”目からウロコ”の新事実に感動
森林科学科 卒業野田 康信地方独立行政法人 北海道立総合研究機構 森林研究本部 林産試験場 性能部 耐久・構造グループ 研究主任 -
粘り強く続けていくことの大切さを森林学科で学んだ
森林科学科 卒業野末 尚希静岡県農林技術研究所 森林・林業研究センター -
be(resilient)!
多少の失敗は気にせず柔軟な頭で北海道を味わって成長してください!
森林科学科 卒業後藤 健国土交通省 北陸地方整備局 河川部 河川計画課長
学科での学び
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森林の育成と保全を目標に、森林の長期的動態と樹種特性、遺伝的な解析と育種、生態系における物質分解や養分循環などの解明に取り組んでいます。また木材資源としての人工林管理の最適化や様々なストレスへの樹木の応答などの研究を行い、森林の保全だけでなく、天然林と人工林の利用技術の高度化にも取り組んでいます。
キーワード: 森林動態,生態系,資源育成 -
森林は、私たちに様々な恵みをもたらします。多様で豊富な森林資源を無駄なく利用するだけでなく、絶やすことなく維持することも重要です。この研究室では、林産資源の高度加工利用、特用林産物(きのこ、山菜、炭など)の増産、新規利用や高機能材料への変換について学んでいます。
キーワード: 林産資源,特用林産物,きのこ -
森林や河川は、木材資源や水資源を私たちに提供してくれます。同時に、森林や河川には多種多様な生物が生息しています。私たちは、森林や河川と人間のかかわり、そして森林や河川の生物について研究しています。これにより、森林や河川の「生物多様性のゆりかご」としての機能を保ちながら、いかに木材資源や水資源を利用していくかを明らかにしたいと考えています。
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社会に役立つ人材を養成することを目的として、地圏・水圏・生物圏からなる流域の 保全手法を理解し、森林衰退に伴う地表浸食・水源枯渇・自然災害の解明、治山治 水・砂漠緑化・森林復元などの保全技術について学びます。
キーワード: 自然災害と国土保全,水資源 -
森林と人間社会との関係で生じる社会・経済現象を把握し、森林の保全と利用に関わる政策のありかたについて学びます。
キーワード: 森林資源,農村・山村・漁村社会 -
有用な森林資源である樹木を賢く、有効に利用するための基礎として、樹木の形成と環境適応機構を樹木個体、組織、細胞、分子、遺伝子レベルで重点的に学びます。また、木材の基本構造や樹種識別、性質、機能についても理解を深めます。
キーワード: 木材と住環境,森林資源 -
工学的な手法で木材や木質材料を取り扱います。家具、橋などの土木構造物、木造建築物の材料としての木材・木質材料の利用材質評価を基礎として、これらに関連する加工技術、部材・接合部・構造物の設計や性能評価法についての教育・研究を行っています。
キーワード: 木質材料,土木構造,木質構造 -
木質バイオマスは化石代替資源として期待されており、樹木細胞壁構成成分(セルロースやリグニン)を原料とした新規な機能性材料の開発は重要なテーマです。これらの機能化には化学的処理や微生物変換などの改質処理が不可欠であるため、木材化学研究室では有機化学や生化学、高分子科学の知識や手法を基礎とした教育・研究に取り組んでいます。
キーワード: 木質細胞壁成分,バイオリファイナリー,機能性材料