農学院環境フロンティアコース修士課程1年の原 悠人さんが令和5年度公益社団法人砂防学会研究発表会において若手優秀発表賞(最優秀発表賞)を、同元博士課程3年の吉野孝彦さん、同博士課程3年の松永隆正さん、同修士課程1年の冨安 蓮さん、農学部森林科学科元4年の富岡稜太さん(いずれも流域砂防学研究室)が若手優秀発表賞(奨励発表賞)をそれぞれ受賞

 令和5年度公益社団法人砂防学会研究発表会において、農学院環境フロンティアコース修士課程1年の原 悠人さんが若手優秀発表賞(最優秀発表賞)を、同元博士課程3年の吉野孝彦さん、同博士課程3年の松永隆正さん、同修士課程1年の冨安 蓮さん、農学部森林科学科元4年の富岡稜太さん(いずれも流域砂防学研究室)が若手優秀発表賞(奨励発表賞)をそれぞれ受賞しました。

 若手優秀発表賞は、優れた調査研究を行い発表した若手学会員を対象として、その功績を称えるとともに、若手学会員の研究意欲の高揚と砂防に関する調査研究の進展を目的として授与されるものです。皆さんの今後ますますの活躍が期待されます。

 

【最優秀発表賞】

発表演題:
「地表面変位速度を用いた深層崩壊危険斜面の推定」
〇原 悠人、笠井美青
 深層崩壊は多大な人的・社会的被害をもたらすことから、危険な斜面を抽出する手法の確立が重要です。深層崩壊の予兆を示す地形的特徴に加え、2時期の航空レーザ測量データから算出される地表面変位速度を用いることで、崩壊の切迫度を加味した崩壊危険斜面の抽出ができることを示しました。

 

【奨励発表賞】

発表演題:
「凝灰角礫岩山地源流域の厚い粘土層が水文プロセスに与える影響」
〇吉野孝彦、桂真也
 山地流域における降雨流出過程を明らかにすることは、洪水・渇水/土砂災害対策や水環境保全の観点から重要です。厚い粘土層が形成された流域において詳細な現地観測を実施し、厚い粘土層から流出した水が渓流水を形成していることや、粘土層が基岩内地下水の緩衝帯として働いていることを示しました。

発表演題:
「気象庁数値予報データを用いた広域的な融雪地すべり警戒指標の検討」
〇松永隆正、桂真也
 融雪による地すべりの被害を軽減するには、警戒避難が有効な手段の一つです。気象庁数値予報データを用いて融雪水量を広域的かつ時間単位で推定した上で、適切な水文指標と基準値を設定することにより、融雪に伴う地すべりに対する警戒指標として用いることができる可能性を示しました。

発表演題:
「CNNによるH30年胆振東部地震における崩壊土砂の到達距離の推定」
〇冨安蓮、笠井美青、山田孝
 斜面崩壊への対策を検討するためには、崩壊土砂の到達距離を推定する必要があります。画像認識を得意とする機会学習モデルであるCNN(畳み込みニューラルネットワーク)に地形等の情報を入力することにより、北海道胆振東部地震による崩壊土砂の到達距離を事前に精度よく推定できることを示しました。

発表演題:
「北海道における土砂災害警戒区域内人口の現状と将来予測」
〇富岡稜太
 北海道における今後の土砂災害対策を考えるにあたって、深刻化する人口減少を踏まえる必要があります。北海道の土砂災害警戒区域内人口およびその年齢構成の現状把握と将来予測(2045年時点)を行った上で、今後の北海道における土砂災害減災のための方策について検討しました。

上段左から原 悠人さん、吉野孝彦さん、松永隆正さん
下段左から冨安蓮さん、富岡稜太さん