農学院環境フロンティアコースの浪江日和さん(土壌学研究室 博士課程2年)が日本土壌肥料学会2023年度愛媛大会にて若手口頭発表優秀賞を受賞

 農学院環境フロンティアコースの浪江日和さん(土壌学研究室 博士課程2年)が日本土壌肥料学会2023年度愛媛大会にて若手口頭発表優秀賞を受賞しました。

 

発表演題:「中耕除草による田面水と土壌の撹乱は拡散経路のCH4とN2Oに影響を与えていた」
〇浪江日和・島田かさね・当真要・石黒宗秀・波多野隆介

 稲作における無肥料・無農薬水田での中耕除草は、除草効果に加え養分循環の効率化・メタン(CH4)抑制効果が期待されています。2022年度の検証では中耕除草が拡散経路のCH4を減少させた一方で、亜酸化窒素(N2O)を増加させた可能性が示されました。そこで本研究では、中耕除草期のCH4・N2Oフラックスと環境因子の関係を解析しました。その結果、中耕除草による表層土壌の攪乱が酸素と雑草供給し有機物分解と還元の進行を促進したことで、CH4とN2Oの生成を増加させた可能性が示されてました。中耕除草による田面水の撹乱は、表層-田面水間でのCH4酸化を助長し拡散経路でのメタンの排出を抑制した一方で、中耕除草による田面水の懸濁が浮遊土砂表面でのN2Oの生成を助長し、拡散経路でのN2Oの排出を促進していることがわかりました。このことから、水田での中耕除草は拡散経路のCH4とN2Oの排出にトレードオフを生じさせていることが明らかになりました。

受賞した浪江日和さん