農学院環境フロンティアコースの溝手桃花さん(土壌学研究室 修士課程2年)が第21回日本炭化学会研究発表会にて優秀発表賞奨励部門を受賞

 2023年9月7~8日に東京都八王子市で開催された第21回日本炭化学会研究発表会において、農学院環境フロンティアコースの溝手桃花さん(土壌学研究室 修士課程2年)が優秀発表賞奨励部門を受賞しました。

 

発表演題:「北海道の小麦畑における籾殻炭の施用がGHG排出に与える影響」
〇溝手桃花・喜島仰太・Ezeaku Victor Ikemefuna・当真要

 農業分野でのバイオ炭の利用は、土壌への炭素隔離に加え、亜酸化窒素(N2O)抑制、土壌改良による作物生産性の向上効果が期待されています。しかし、バイオ炭の施用効果はバイオ炭の種類、土壌、気候に大きく依存するため、改善目的にあった機能をもつバイオ炭と施用量を定める必要があります。
 本研究では、北海道で重要な農作物である秋播き小麦栽培1作で籾殻炭を施用し、施用炭素の何%が土壌中に残存するのか、温室効果ガス(GHG)排出にどのような影響を与えるのかの2点について解析しました。その結果、投入炭素の約88%が土壌中に貯留されていますが、GHG排出は増加傾向にあることがわかりました。しかし、GHGを炭素換算した場合、GHGを炭素増加は炭素貯留に相殺されていました。このことから、籾殻炭を施用した初年度の秋播き小麦栽培は土壌への炭素隔離となるとともに地球温暖化を抑制する可能性が示唆されました。

受賞した溝手桃花さん