農学院生命フロンティアコース阿部 悠さん(応用食品科学研究室、博士後期課程1年)が第64回日本食肉科学会にて若手優秀発表賞を受賞

 農学院生命フロンティアコース 応用食品科学研究室 博士後期課程1年の阿部 悠さんが、2023年3月24日に日本獣医生命科学大学(東京)にて開催された第64回日本食肉科学会大会にて、若手優秀発表賞を受賞しました。

 日本食肉科学会は、食肉に関する学術ならびに産業の益々の振興を図ることを目的として発足した学術団体です。第64回大会ではエントリー7件のうち、若手優秀発表賞は2件(同得点)が選ばれました。

発表演題:「豚肝臓における亜鉛プロトポルフィリンIX形成機構に関する研究」
阿部 悠・植村寿一・早川 徹・玖村朗人・若松純一(北大院農)

 亜鉛プロトポルフィリンIX(ZnPP)は、発色剤無添加の乾塩漬ハムに鮮やかな色調をもたらす赤色色素です。豚肝臓は著しく高いZnPP形成能を有し、食肉製品の色調改善への応用が期待されます。しかし、多量のZnPPが形成されるにも関わらず、その色調が鮮やかではないことが課題でした。本研究では、肝臓で形成されたZnPPの水抽出性が著しく低いことを明らかにし、その溶解性が色調に影響する可能性を示しました。また、低い水抽出性の原因として、骨格筋ではZnPPと水溶性複合体を形成するヘムタンパク質が、肝臓では分解されていることを示唆する結果を得ました。

(参考)
日本食肉科学会Webサイト:https://jmeatsci.org/
第64回大会報告:https://jmeatsci.org/news/taikaihoukoku_64th

受賞した阿部 悠さん(左)と指導教官の若松先生(右)