農学院生命フロンティアコース博士課程2年太田 智也さん (生物化学研究室) らが令和4年度日本応用糖質科学会にてポスター賞を受賞

 2022年8月31~9月2日にタワーホール船堀 (東京都) にて開催された日本応用糖質科学会2022年度大会において、農学院生命フロンティアコース博士課程2年太田 智也さん(生物化学研究室)らがポスター賞を受賞しました。

■発表演題
「GH55β-1,3-グルカナーゼのエンド様式の作用と構造」
太田 智也1,佐分利 亘1,山下 恵太郎2,田上 貴祥1,于健3,今場司朗4,ジュウェル リンダ5,シャン トム6,今井 亮三4,姚 閔3,森 春英1 (1北大院農,2MRC LMB,3北大院生命,4農研機構,5カナダ農務省,6ゲルフ大)

 雪腐菌 (Microdochium nivale) が生産するβ-1,3-グルカナーゼは、ラミナリンなどβ1-6結合を主鎖構造の折れ曲がりとして含むβ1-3グルカンにはエンド型で作用するのに対し、オリゴ糖にはエキソ型で作用することから、本酵素の作用様式は基質構造により異なります。本研究では、ラミナリンに対する加水分解部位を解析することで本酵素がβ1-6結合の折れ曲がりの隣のβ1-3結合を加水分解すること、タンパク質の結晶構造解析により本酵素が折れ曲がりを含むβ1-3グルカンとの結合に適したクレフト構造を備えることを明らかにしました。

 日本応用糖質科学会は、澱粉を始めとする各種糖質の科学および関連する酵素科学の進歩を図り、科学・技術ならびに関連産業の振興に寄与することを目的としています。1952年に澱粉工業学会として発足し、1972年に日本澱粉学会,1993年に日本応用糖質科学会と改称し現在に至っています。ポスター賞は、優れた発表をした若手研究者を代表としたグループに贈られる賞です。

太田 智也さん(中央)