農学院及び農学部所属の松永隆正さん、青木稔弥さん、北村明希子さん、鈴木優子さん(いずれも流域砂防学研究室所属)が令和4年度(公社)砂防学会研究発表会で若手奨励発表賞を受賞

 令和4年5月10日~13日にかけて行われた令和4年度(公社)砂防学会研究発表会において、農学院農学専攻環境フロンティアコース博士課程2年の松永隆正さん、同元修士課程2年の青木稔弥さん、同修士課程1年の北村明希子さん、元農学部森林科学科4年生の鈴木優子さん(いずれも流域砂防学研究室)が若手奨励発表賞を受賞しました。

 若手奨励発表賞は、優れた調査研究を行い発表した若手学会員を対象として、その功績を称えるとともに、若手学会員の研究意欲の高揚と砂防に関する調査研究の進展を目的として授与されるものです。皆さんの今後ますますの活躍が期待されます。

発表演題:
「実効地表面到達水量に基づく広域的な融雪地すべり警戒指標の検討」
〇松永隆正、桂真也

気象庁メソ数値予報モデルを用いて融雪水量を広域的かつ時間単位で推定した上で、適切な水文指標と基準値を設定することにより、融雪に伴う地すべりに対する警戒指標として用いることができることを示しました。

「浸透流解析に基づく平成30年北海道胆振東部地震による斜面崩壊の発生危険条件の検討」
〇青木稔弥、桂真也、厚井高志、山田孝

胆振東部地震で崩壊した斜面と崩壊しなかった斜面を対象に、浸透流解析により地震発生当時の斜面内部の水分状態を再現し、斜面内部の水移動を規定する斜面の層構造が地震時の崩壊発生の有無をコントロールしていた可能性を示しました。

「北海道胆振東部地震による崩壊裸地斜面からの地震後生産土砂量の空間分布と時間変化」
〇北村明希子、厚井高志、桂真也

胆振東部地震で多数の崩壊が発生した流域において、ドローンを用いた定期的な測量により崩壊裸地斜面における地震後の土砂の侵食・堆積状況を計測し、斜面の方位・形状との関係や、地震後の降雨状況との関係を明らかにしました。

「凝灰角礫岩山地源流域における風化基岩層の透水性・保水性の計測」
〇鈴木優子、桂真也、吉野孝彦

雨龍研究林で実施されたボーリング調査により得られた基岩のボーリングコアを用いて、計測の困難な基岩の水分特性(透水性・保水性)の計測に成功しました。さらに、水分特性と風化の程度との関係や亀裂の影響を明らかにしました。

(左から)松永隆正さん、青木稔弥さん、北村明希子さん、鈴木優子さん