中村 太士教授(森林生態系管理学研究室)が紫綬褒章を受章されました。

 平成30年春の褒章において、中村 太士教授(森林生態系管理学研究室)が、永年の生態系管理学、森林学、地形学、生態学の教育、研究への功績及び自然環境の保全と管理への社会的貢献に対し、紫綬褒章を受章されました。

 紫綬褒章は、科学技術分野における発明・発見や、学術及びスポーツ・芸術文化分野における優れた業績を挙げた方に授与される褒章です。

 中村教授は、森林、河川、湿地等のさまざまな生態系で構成される流域に焦点を当てて研究を行い、洪水や山崩れなどの地表変動撹乱は、生態系の維持機構として重要な役割を果たしていることを明らかにするとともに、流域内の生態系の相互作用を解明しました。さらに、生物種と生息環境を基準にした生態系評価と復元の方法を確立したことで、これが日本の森林、河川、湿地の管理指針として定着するなど、斯学の発展に多大な貢献をされました。

 また、近年は、景観生態学と生態系管理学を融合させ、生態系の連結性と生物多様性の関係について、魚類、鳥類、水生・陸生昆虫、哺乳類等、様々な分類群について明らかにし、将来シナリオにもとづく保全戦略を提言されるなど、こうした成果は、日本の生物多様性及び生態系サービスの総合評価、その地図化などにも大きく貢献されています。

中村 太士 教授