農学院環境フロンティアコース修士課程1年の粒來綾香さん、孫 姚正さん(花卉・緑地計画学研究室)が令和7年度日本造園学会北海道支部大会で口頭発表優秀賞、奨励賞を受賞
令和7年11月1日の日本造園学会北海道支部大会において、農学院環境フロンティアコース修士課程1年の粒來綾香さん(花卉・緑地計画学研究室)が口頭発表優秀賞を、孫姚正さんが奨励賞を受賞し、賞状を授与されました。
受賞した発表題目と講評は以下のとおりです。
●粒來綾香・愛甲哲也・庄子康 (2025) 「札幌市の自然歩道利用者のヒグマ出没に対する意識・対応」
札幌市内の自然歩道利用者を対象に、ヒグマ出没に対する意識と行動を調査した研究です。多くの登山者が個別にヒグマ対策を認知・実施している一方で、地域レベルでの対策理解は十分とは言えず、出没増加後も行動を変えない人が多いことが明らかにされました。こうした即応性の高い知見は、今後の地域管理やリスクコミュニケーションに資するものとして重要です。研究手法・結果・考察のいずれも整理が行き届いており、全体として完成度の高い研究として高く評価されました。
●孫姚正・愛甲哲也・庄子康 (2025) 「ヒグマ出没が札幌市近郊自然歩道の登山者数に及ぼす影響」
札幌市近郊の自然歩道を対象に、ヒグマ出没が登山者数に与える影響を定量的に分析した研究です。現地にトラフィックカウンターを設置して登山者数を連続的に記録し、ベイズ構造時系列モデルを用いて「出没がなかった場合」との比較により影響を推定した点は新規性が高く、独創的な試みとして高く評価されました。今後の研究の発展により、野生動物と人間活動の関係性に新たな知見がもたらされることが期待されます。
公益社団法人・日本造園学会は、造園という伝統的な職能が蓄積してきた技術と文化のうえに、近代的な理論と科学的体系を構築することを目的として設立された学術団体です。北海道支部では、毎年秋に支部大会を開催し、総合的に優れていると判断された学生の発表に「口頭発表優秀賞」を、独創的な着眼点や新規性が特に顕著であった発表に「口頭発表奨励賞」を授与しています。
