西塚紘明さん(生態化学生物学研究室)が植物化学調節学会第51回大会にて優秀発表賞を受賞

 2016年10月29-30日に高知大学(高知県)にて行われました植物化学調節学会第51回大会で,生態化学生物学研究室D2の西塚紘明君が優秀発表賞を受賞しました。受賞対象となった研究題目は「イチョウ偽果に含まれるアナカルド酸類とそれらのエステル誘導体が示す対Nostoc属シアノバクテリア・ホルモゴニア分化誘導活性」です。発表では,イチョウ・ギンナンに含まれ,Nostoc属シアノバクテリア糸状体に対して強力な殺シアノバクテリア活性を有しながらも,毒性を示さない極低濃度では明瞭なホルモゴニア分化誘導活性が現れるアナカルド酸について,誘導体化によってホルモゴニア誘導活性のみの保持に成功したことを報告し,高く評価されました。中鎖アルコールとの脱水縮合反応でアナカルド酸を中鎖アルキルエステル誘導体にすると,出発物質の殺シアノバクテリア活性はほぼ消失し,強いホルモゴニア分化誘導活性のみが残りました。この安定なアナカルド酸エステル誘導体は,ホルモゴニア分化研究の優れた化学ツールになることが期待されています。