農学研究院の北岡直樹准教授(生物有機化学研究室)と村井勇太准教授(生態化学生物学研究室)が2024年度農芸化学奨励賞を受賞

 農学研究院の北岡直樹准教授(生物有機化学研究室)と村井勇太准教授(生態化学生物学研究室)が2024年度農芸化学奨励賞を受賞しました。

 日本農芸化学会は、農芸化学分野の基礎及び応用研究の進歩を図り、それを通じて科学、技術、文化の発展に寄与することにより人類の福祉の向上に資することを目的として、1924年に設立された学術団体です。農芸化学奨励賞は、農芸化学の進歩に寄与するすぐれた研究をなし、なお将来の発展を期待し得る満43歳以下の正会員に授与される賞です。受賞式は、東京農業大学世田谷キャンパスで開催された日本農芸化学会2024年度大会において3月24日(日)に行われました。

 

 受賞題目、内容は以下のとおりです。

 

⚫北岡直樹准教授
受賞題目『植物の防御応答に関わる天然有機化合物の生合成機構と生理作用の解明』
 植物は天然有機化合物を巧みに利用し、病原菌や植食動物に対抗しています。天然有機化合物をどのように植物が作っているかという生合成経路の解明は、植物体内における役割(生理作用)を解明する上で重要です。さらに、植物調節剤などの応用展開も期待されます。これまでの北岡氏の植物の天然有機化合物の生合成と生理作用に関する研究成果が評価され、本賞受賞にいたりました。

 

⚫村井勇太准教授
受賞題目『化学的アプローチによるスフィンゴ脂質関連分子の新しい生理機能の解明』
 スフィンゴ脂質は必須生体脂質であり、皮膚バリア機能や脂質メディエーター、エピトープといった重要な生命維持活動を担っています。最近では、スフィンゴ脂質と肥満、認知症、神経損傷回復といったアンメットメディカルニーズ関連分子としても注目を浴びており、本研究内容ではこのスフィンゴ脂質病に関する医療応用と学術展開の両立を化学の面からアプローチした成果が評価され、本賞受賞にいたりました。

 

 

受賞した村井准教授(左)と北岡准教授(右)