農学院生産フロンティアコースの川久保修佑さん(植物病原学研究室 博士課程2年)が第70回日本ウイルス学会学術集会において若手研究者優秀演題賞を受賞

 2023年9月26日〜28日まで仙台国際センターで開催された第70回日本ウイルス学会学術集会において、農学院生産フロンティアコース植物病原学研究室の川久保修佑さん(博士課程2年)が「若手研究者優秀演題賞」を受賞しました。
 ウイルス学会学術集会は、年1回日本ウイルス学会によって開催される大会で、すべてのウイルスに関する研究成果が集まってきます。若手研究者優秀演題賞は、研究発表の内容が特に優秀だった40歳未満の若手研究者全般を対象としたもので、学生に限ったものではありません。
 川久保さんは博士課程2年に在学中ですが、研究業績を評価されて今年3月に短縮修了し、学位取得予定です。

 受賞した発表演題と内容は以下のとおりです。

「Host-adaptive evolution of leek yellow stripe virus determined by viral RNA silencing suppressor activity in a host-dependent manner.」

◯Shusuke Kawakubo1, Hangil Kim1, Minoru Takeshita2, and Chikara Masuta1.
(1北大院農, 2宮崎大院農)

ポティウイルスは植物RNAウイルス最大の分類群であり、単子葉植物から双子葉植物まで様々な植物を宿主とする201種のウイルスによって構成されます。ウイルスは進化の過程で宿主植物を何度も独立に変化させており、どのように宿主が決定されるのかその詳細は未だ明らかにされていません。本研究では、ネギ属植物に感染するポティウイルスの1種リーキ黄色条斑ウイルスが、植物が持つウイルス感染防御機構であるRNAサイレンシングをウイルスが宿主特異的に抑制することで、異なる宿主へ適応進化してきたことを明らかにしました。ウイルス進化の方向性が決定されるメカニズムについてその一端を解明した重要な研究成果です。

受賞した川久保修佑さん