農学院生産フロンティアコース修士課程2年(在学当時)の菅あやねさん(作物栄養学研究室)の論文がSoil Sciecne and Plant Nutrition誌の最優秀論文(SSPN Award)に選出

 農学院生産フロンティアコース修士課程2年(在学当時)の菅あやねさん(作物栄養学研究室)の論文がSoil Sciecne and Plant Nutrition誌の最優秀論文(SSPN Award)に選出されました。これは、2022年度に公開された全論文の中から1報のみに授与されるものです。

 

論文題目:Relationship between soil phosphorus dynamics and low-phosphorus responses at specific root locations of white lupine.

論文情報:Soil Science and Plant Nutrition, 2022, 68(5-6), 526-535

Kan, A., Maruyama, H., Aoyama, N., Wasaki, J., Tateishi, Y., Watanabe, T. and Shinano, T.
(菅あやね・丸山隼人・青山奈央・和崎淳・立石能子・渡部敏裕・信濃卓郎

シロバナルーピンの根域局所における低リン応答と土壌中リン動態との関係性を評価するため、根箱を用いて調査しました。その結果、MATE(multidrug and toxic compound extrusion/detoxification)遺伝子の一つであるLaMATE6と可溶性金属カチオンの間に有意な正の相関が見られ、MATEタンパク質を介してクエン酸が根圏に分泌されることで可溶性金属イオン濃度が高くなることが示唆されました。さらに、同じ発達段階の根であっても、根圏土壌中の形態別リンの動態に異なる影響を与える可能性が示されました。本研究の成果は、植物による土壌中リン動態の詳細なメカニ ズムを解明するために、土壌化学的性質と根の機能との関係をより局所的に詳細に調べることの重要性を示しています。