橋床泰之教授(生態化学生物学研究室)が平成29年度日本農薬学会業績賞(研究部門)ならびに望月喜多司記念業績賞を受賞しました。

3月6-8日に愛媛大学を主会場に開催されました第42回日本農薬学会大会で,本学農学研究院 応用生命科学分野 橋床泰之教授(生態化学生物学研究室)が平成29年度日本農薬学会業績賞(研究部門)ならびに望月喜多司記念業績賞を受賞しました。日本農薬学会業績賞(研究部門)は,日本農薬学会が授与する学術顕彰の最高賞であり,望月喜多司記念業績賞は公益財団法人食品農医薬品安全性評価センターが食品,農薬,医薬品等の安全性に関する調査研究や農薬の科学技術の発展に顕著な功績のあった研究者に対して贈呈しているものです。

受賞研究題目は「化学生態学に基づいた植物病原菌および脱窒細菌の代謝制御に関する研究」です。生物農薬と天然物化学に関連した研究では,種子伝播性であるため薬剤が効きにくいイネ苗立枯細菌病や卵菌感染によるホウレンソウ鎌要らず病の発病抑制を,それぞれ宿主植物と相性の良い宿主根面微生物から分離し,その抑制に関わる化学因子の単離同定とともに,それらの作用機序を明らかにしました。また,畑地から大量に放出され,地球温暖化とオゾン層破壊の原因になることが指摘されている亜酸化窒素(N2O)を抑制できる薬剤を広く探索し,電子伝達阻害系除草剤であるパラコートが,実効的散布量2.5 µM濃度でN2O放出を完全に抑制できることを示しました。農薬化学の発展への寄与が期待されるこれらユニークな研究内容が高く評価されたものです。