小林泰男名誉教授(動物機能栄養学研究室)が2026年度日本農学賞・読売農学賞を受賞

2026年2月7日に東京大学で日本農学賞選考会が行われ、北海道大学名誉教授の小林泰男先生(前 動物機能栄養学研究室教授)が2026年度日本農学賞・読売農学賞を受賞しました。受賞式は日本農学大会に協同して4月上旬に行われる予定です。

評価された業績の概要は以下のとおりです。

 

業績タイトル:
反芻家畜の持続的生産に向けた消化発酵制御に関する研究

業績の概要:
持続可能な反芻家畜生産の実現には、環境負荷軽減と生産性向上の両立が不可欠です。その鍵を握る第一胃(ルーメン)内の共生微生物に着目し、ルーメン発酵の最適化を通した持続的な家畜生産に資する研究を続けてきました。分子手法を活用して、複雑な微生物群集の中から発酵を主導する細菌を特定するとともに、それらの増殖を制御する飼料素材の探索と評価に取り組みました。特に重要な発見はカシュー殻液によるメタン抑制です。カシューナッツの副産物である「カシュー殻液」に含まれる希少フェノール類(アナカルド酸等)が、メタン菌を含む特定の細菌に対し抑制効果を持つことを見いだしました。また、国内外での給与試験によりメタン抑制効果が広く認められることを明らかにしました。基礎から応用までを貫いた一連の研究は、メタン抑制飼料添加物の認可・商品化に大きく貢献しました。

 

日本農学会は農学系学協会の集合体で、現在、54の学協会が会員となっています。日本農学賞は、日本農学会の前身である農学会が大正14年から始めた顕彰事業であり、昭和17年に日本農学賞と名前を変え、今日まで続いています。昭和39年からは、日本農学賞授与者は、読売新聞社が授与する読売農学賞に推薦されています。日本農学賞は、農学分野で最も歴史が深く、日本の農学研究者にとって最高の栄誉ある賞です。

 

日本農学会HP
https://www.ajass.jp/30_10.html

 

小林先生の業績の概要(抜粋)。反芻家畜のゲップに含まれる温室効果ガス(メタン)を低減するために、第一胃発酵の制御戦略に基づく新規素材の探索、ならびにその効果検証と作用機序解明を約20年にわたって手がけた。得られた知見をもとにメタン抑制飼料添加物が認可・商品化され、研究成果の社会還元に大きく貢献した。