農学院生命フロンティアコース修士課程1年の征矢明香里さん(食品機能化学研究室)、中村みのりさん(食品栄養学研究室)が2025年度第55回日本栄養・食糧学会北海道支部大会にて若手奨励賞を受賞
2025年9月22〜23日に北海道大学(札幌市)で開催された2025年度第55回日本栄養・食糧学会北海道支部大会において、農学院生命フロンティアコースの征矢明香里さん(食品機能化学研究室、修士課程1年)、中村 みのりさん(食品栄養学研究室、修士課程1年)が若手奨励賞を受賞しました。
発表演題:
「マウスの血清エクソソームは3T3-L1脂肪細胞における脂肪蓄積を抑制する」
征矢明香里1、逢坂文那1、鶴田剛司2、園山慶1(1:北大院農、2:岡山大院環境生命)
発表概要:
本研究では、循環血中エクソソームが脂肪細胞における脂肪蓄積に及ぼすか、またそのことに腸内細菌叢が影響するのかを調べた。腸内細菌叢を持たない無菌マウスと通常マウスの血清から分離したエクソソームを脂肪前駆細胞(3T3-L1)に添加したところ、脂肪蓄積の抑制および脂肪細胞分化や脂肪合成に関与する遺伝子の発現低下がみられた。とりわけ、通常マウス由来のエクソソーム添加に比して無菌マウス由来のエクソソーム添加により、さらなる減少傾向を示したことから、マウスの循環血中エクソソームは脂肪細胞における脂肪蓄積を抑制し、腸内細菌叢はそのことに影響する可能性が示唆された。

発表演題:
「えごま油の長期摂取による糖尿病モデルラットの耐糖能改善効果とそのメカニズム解析」
中村 みのり1,木村 梨乃1,比良 徹1(1:北大院農)
発表概要:
本研究では、n–3多価不飽和脂肪酸の一種であるα-リノレン酸を豊富に含むえごま油を糖尿病モデルラットに持続的に摂取させると、食後血糖応答が改善することを見出した。それには、インスリン感受性の改善すること、インスリン分泌能力の改善が伴うことを明らかにした。また、糖尿病モデルラットの膵臓では、複数の関連遺伝子の発現が正常ラットに比べて顕著に低いことを見出し、これらが病態形成に関連すること、えごま油の作用機序にそれらが関連する可能性が示唆された。

日本栄養・食糧学会は、栄養科学及び食糧科学の基礎及び応用研究の進歩普及を図るとともに、同分野の情報を社会へ提供し、もって科学、技術、文化の発展と人類の健康・福祉の向上に寄与することを目的としています。
日本栄養・食糧学会北海道支部ホームページ
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