2023年
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第65回時計台サロン「農学部に聞いてみよう」開催

 北海道大学農学部・農学院・農学研究院では、札幌市時計台(正式名:旧札幌農学校演武場)において、時計台サロンを開催しています。
 札幌農学校演武場は、札幌農学校初代教頭クラーク博士が発案し、2代教頭ウィリアム・ホイラーが基本構想図を作り、開拓使工業局安田喜幸が設計監督した木造建築で、ここから新渡戸稲造、内村鑑三をはじめ多くの卒業生が旅立ちました。

 札幌農学校は現在の北大農学部です。私たちが受け継いできた札幌農学校の伝統をふたたび現在に甦らせるべく、その精神を受け継いだ著名な卒業生や現役の教育・研究者の講演を、広く市民の皆さんに公開することにしました。
 現在は、200万都市札幌の真ん中に位置する時計台です。北海道大学に脈々と流れる精神を感じとっていただき、21世紀の未来を考える場としたいと考えております。

 第65回として、10月18日(水)18時から『時計台サロン「農学部に聞いてみよう」』を札幌市時計台ホールで開催いたします。事前の申し込みは不要で、入場無料です。
 ぜひ皆様お誘い合わせのうえご参加ください。

 なお、次回以降についても、このホームページでご案内いたしますので、どうぞご参照ください。

第65回テーマ「未来のスマート畜産の姿」

 国内では高齢化による離農が進む一方で、高額な初期費用など新規就農にも高いハードルが存在する。急速な畜産農家数の減少により、畜産物自給率への大きな影響が懸念される。動物の生産性を引き上げる方策には、最適な栄養素供給や疾病の早期把握などが挙げられているが、農家あたりの飼育頭数が増加する状況において家畜の行動や健康状態を正確に把握し、きめ細やかに管理することには限界がある。
 近年、様々なセンサーを用いた動物の個体管理技術の研究・開発が進められている。体外センサーを用いた発情行動や摂取行動、位置把握などの行動情報の収集はすでに開発が進んでおり、将来的には体内センサーを用いて家畜の生体情報を収集(消化障害やメタン排出など)することにより効率的で、環境に優しい生産システムを構築することが大きな目標となっている。
 本講演では、畜産分野においてセンサーを活用した研究を展開する研究者から最新の知見を紹介する。講師①の後藤先生から国内の未利用な中山間地域、山地等を放牧活用し、肉質の制御と宇宙技術等による管理システム研究について講演いただき、講師②の小池先生から牛の消化管で発生するメタンを減少させる方法と、体内センサーを利用した個体別メタンガス排出モニタリングについて講演いただく。

講義1 「スマートフォンで牛飼い?!」
北海道大学北方生物圏フィールド科学センター教授 後藤 貴文

講義2 「牛のげっぷと未来の酪農」
北海道大学大学院農学研究院教授 小池 聡

司会:北海道大学大学院農学研究院助教  呉 成真

ご興味のある方は是非ご参加ください!
※内容は多少変更になる可能性がございます。