池晃祐さん(応用菌学研究室 修士課程2年)が日本農芸化学会2016年度大会でトピックス賞を受賞しました
2016-04-27
池晃祐さん(応用菌学研究室 修士課程2年)が、日本農芸化学会2016年度大会(3月27日~3月30日 札幌)でトピックス賞を受賞しました。
日本農芸化学会は農芸化学分野の基礎及び応用研究の進歩を図り、それを通じて科学、技術、文化の発展に寄与することにより人類の福祉の向上に資することを目的として、1924年に設立された学術団体です。全国大会は年1回春に開催され、化学・生物学系の学会の中でも規模の大きい集会です。今回の全国大会は2005年以来11年ぶりに北海道で開催されました。トピックス賞は全国大会の一般講演登録演題(例年約2,500題)より約30題が選定されます。
本発表は25,000年前のアラスカ永久凍土氷楔中から発見された新属新種の微生物の休眠に関するものです。これまで納豆菌を始めとする微生物が「芽胞」と呼ばれる堅い殻を作って休眠する研究は多く報告されてきましたが、芽胞を作らない微生物の休眠についてはまだ研究が十分に進んでいません。今回、芽胞を作らない微生物が本来は毒性のある微量の一酸化炭素からもエネルギーを得ることで休眠し続ける可能性が見えてきました。研究成果は極限環境での微生物の生存戦略の解明のみならず、生物資源の宝庫である環境中の難培養微生物の培養技術開発・有効利用へつながることが期待されています。