農学部・農学院とシンガポール国立大学間で「Joint Summer Programme in Japan and Singapore」を開催

農学部・農学院ではシンガポール国立大学(以下、NUS)との「Joint Summer Programme in Japan and Singapore」を開催しました。本プログラムは2018年度から始まったもので、海外ラーニング・サテライト事業にも採択されています。本プログラムは、農業を地域で育まれた文化・産業と考え、異なる文化的背景の学生達がそれぞれの国の食料生産、加工や流通技術等の学びを通じて交流し、農業や食への理解を相互に深め、グローバル化時代における農業のあり方を考える内容となっています。

今年度は6月8日(月)から12日(金)は農学部・農学院が主催し、8月3日(月)から7日(土)はシンガポールに場所を移し、NUSが主催しました。今年度は農学部の学生が8名、NUS理学部の学生が15名参加しました。

6月の北海道大学主催のプログラムでは、北海道農業史の概論を受講後、実験用水田で田植え実習を行いました。自国に農業用水田がないNUS学生には驚きの多い体験だったようです。余市果樹園では果樹管理の学習を行い、果樹作物の加工技術実習としてリンゴジャムを作りました。学生達は品種改良による食味改善を実感しつつ、自作ジャムの味を楽しみました。市場・流通学習として中央卸売市場を、そして家畜排せつ物再利用として鹿追町バイオガスプラントを見学しました。大きな再生エネルギーを生み出すバイオガスプラントは、シンガポールの将来へのヒントとなったようで、活発な質疑応答がみられました。

8月のシンガポールプログラムでは、環境制御された効率的な葉物野菜生産システムを視察しました。国内での新鮮なサラダ生産は国民の健康維持にも貢献し、それを試食でも体験できました。循環型経済としての食料流通システムとして、食料廃棄物を利用した昆虫飼育システムを学内外で見学しました。また、陸路で国境を越えて、隣国マレーシアの商用熱帯果樹園を見学しました。国境という見えない境界線を挟みつつも、隣国との平和な人的・経済的交流を目の当たりにして、グローバルな食料安全保障について、実感とともに新たな視点が得られました。

講義や見学後にはNUSの学生らと活発に議論し、食事をともにしながら交流を深める姿に札幌プログラムからつながる絆をみることができました。今年度は、シンガポールの北海道大学同窓会である「シンガポール・エルム会」とも交流会を持つことができました。エルム会からはHURPAの安田哲客員教授、同T. Wohland教授を始めとして、現地でご活躍の方々が参加され、NUSからも本プログラム責任者のF. T. Chew教授が参加しました。開催年数が重なるにつれ、実効性のある大学間学生交流へと発展する場が開拓されるとともに、本プログラムの目的が着実に学生へ伝わっている手応えを感じました。

北大プログラムでの記念撮影(北大余市果樹園にて)
北大プログラムでのリンゴジャム作り実習
NUSプログラムでのKok Fah Farm見学ツアー