農学部・農学院とシンガポール国立大学間で「Joint Summer Programme in Japan and Singapore」を開催

農学部・農学院ではシンガポール国立大学(以下「NUS」という。)との「Joint Summer Programme in Japan and Singapore」を開催しました。本プログラムは平成30年度から始まったもので、海外ラーニング・サテライト事業にも採択されています。本プログラムは、農業を地域で育まれた文化・産業と考え、文化的背景が異なる国の学生達がそれぞれの国の食料生産、加工や流通技術等の学びを通じて交流し、農業や食への理解を相互に深め、グローバル化時代における農業のあり方を考える内容となっています。

今年度は6月9日(月)~13日(金)は農学部・農学院が主催し、8月4日(月)~9日(土)はシンガポールに場所を移し、NUSが主催しました。今年度は農学部の学生が7名、NUS理学部の学生が14名参加しました。

6月の北海道大学主催のプログラムでは、北海道農業史の概論を受講後、実験用水田で田植え実習を行いました。自国に農業用水田がないNUS学生には印象深い体験だったようです。余市果樹園では果樹の育種学習を行い、果樹作物の加工技術実習としてリンゴジャムを作りました。学生達は品種改良による食味改善を実感しつつ、自作ジャムの味を楽しみました。マーケティング学習として中央卸売市場を、そして家畜排せつ物再利用として鹿追町のバイオガスプラントを見学しました。大きな再生エネルギーを生み出すバイオガスプラントは、シンガポールの将来へのヒントとなったようで、活発な質疑応答が行われました。

8月のシンガポールプログラムでは、NUSが誇る最先端の研究を基盤にした社会実装の現場視察や、国際農業企業によるフードセキュリティーについて学び、グローバルな視野で農業の課題解決を図るシンガポールの視点について活発な議論がなされました。また、シンガポールで消費される様々な葉物野菜の生産システムを視察し、環境制御された効率的な栽培方法の説明を受けました。国内生産による新鮮なサラダの提供は国民の健康維持にも貢献し、それを試食で体験できました。循環型経済としての食料流通システムとして、食料廃棄物を利用した昆虫飼育システムを学内外で見学しました。また、NUSの自然史博物館では、現在につながる時間軸を遡り、動植物の変遷を辿りながら多様性が生み出される生命の不思議に触れつつシンガポールの地理的特徴を学ぶ機会となりました。

北大プログラムでの「わらじ」製造の実習
北大プログラムでの記念撮影
NUSプログラムでの自然史博物館における説明