農学院環境フロンティアコースの内林大志さん(作物栄養学研究室 博士課程3年)と楊 倚麟さん(土壌学研究室 博士課程3年)らのチーム「ERW Seekers」がCLIMIT Summit 2025のSMART-CDR Competitionにて“Integrated Techniques Award”を受賞
2025年2月にノルウェーで開催されたCLIMIT Summit 2025のSMART-CDR Competitionにて、農学院環境フロンティアコースの内林大志さん(作物栄養学研究室 博士課程3年)、楊 倚麟さん(土壌学研究室 博士課程3年)、黒川耕平さん(京都府立大学大学院 生命環境科学研究科 土壌化学研究室)のチーム「ERW Seekers」がCLIMIT Summit 2025のSMART-CDR Competitionにて“Integrated Techniques Award”を受賞しました。
受賞にかかる発表演題と内容は以下のとおりです。
発表演題:Field-scale investigation of CO2 removal through enhanced rock weathering using X-ray powder diffraction and CO2 flux analysis
内林大志・楊 倚麟・黒川耕平
岩石風化促進(Enhanced Rock Weathering:ERW)とは岩石の風化反応がCO2を吸収することに着目して、岩石を粉砕・散布することで人為的に風化反応を加速することでCO2吸収(Carbon dioxide removal: CDR)に応用する技術です。
今回、SMART CDR competitionという学生コンペにおいて、農地でのERW技術によるCO2吸収量を算出する新たな方法論の提案でファイナリストに選出され、ノルウェーで開かれたCLIMIT summit 2025の場で発表を行いました。
これまで、ERW技術によるCO2吸収量は岩石風化によって放出されるカルシウムやマグネシウムの変化量を測定することで算定されていました。一方で、今回新たに土壌のCO2フラックスの変化と土壌に混和された岩石粉末中のケイ酸塩鉱物の減少量を直接測定することによってCO2吸収量を算定する方法論を提案しました。
この方法の利点は、二つの方法を組み合わせたクロスバリデーション法であることと、鉱物が風化することでCO2が吸収されるという現象を確実に検証できることにあります。
選考の結果、本発表は「Interegated Techniques Award」を受賞し、発表後様々な産業の方からも興味を示していただきました。本研究を通じて、農地におけるREW技術によるCO2吸収量の算出方法の確立に貢献したと考えられます。
