農学院生命フロンティアコース修士課程2年の後藤 琉さん(微生物生理学研究室)が第48回日本分子生物学会年会にてMBSJ Poster Award 2025を受賞

2025年12月5日にパシフィコ横浜(横浜市)で開催された第48回日本分子生物学会年会において、農学院生命フロンティアコースの後藤 琉さん(微生物生理学研究室・修士課程2年)がMBSJ Poster Award 2025を受賞しました。

受賞に係る発表演題と発表概要は以下のとおりです。

 

発表演題:
Laboratory evolution of Escherichia coli under two-drug combinations with sulfamethoxazole/trimethoprim
後藤 琉1,小谷 葉月2, 吹谷 智1, 古澤 力2,3, 前田 智也1,2(1 北大院農,2 理研,3 東大院理)

発表概要:
抗生物質が効かなくなる薬剤耐性菌の拡大は、世界的に深刻な問題となっています。本研究では、耐性菌が生まれにくい抗菌薬の使い方を見いだすことを目的として、2種類の抗菌薬を同時に作用させた環境で大腸菌を長期間培養し、耐性がどのように進化するのかを調べました。その結果、葉酸合成を阻害するST合剤と、細胞壁合成を阻害するピペラシリンを組み合わせた条件では、大腸菌が両方の薬に耐性を持つ二重耐性株が全く出現しないことが明らかになりました。遺伝子解析から、単独の薬剤ではそれぞれ異なる耐性変異が獲得される一方、併用条件では耐性変異の組み合わせが強く制限されていることが分かりました。さらに、耐性に関わる複数の変異を人工的に組み合わせると、互いの作用が打ち消し合うことで細菌の増殖が不利になり、二重耐性が成立しないことが確認されました。本研究は、抗菌薬の組み合わせによって細菌の進化を抑え、薬剤耐性菌の出現を防げる可能性を示しています。

 

日本分子生物学会(MBSJ)は、分子レベルでの生命現象の解明を目指す研究者が、理・医・薬・農学などの分野を越えて「分子生物学」を共通言語に議論し、本分野の研究・教育・普及啓発活動を通じて、日本におけるライフサイエンスの進歩に寄与することを目的に活動している学術団体です。

日本分子生物学会ホームページ
https://www.mbsj.jp/

 

受賞した後藤 琉さん