「土」で鍛えられた気骨と研究姿勢で食品業界に就職
北海道大学農学部への志望動機
高校3年まではどの学部で何がしたいか分からず進路に迷っていたところ、合同大学説明会で北大農学部と出会いました。クラーク先生の「Boys be ambitious」の精神と北の大地の広大な農場で学ぶことに憧れ、地元の関西に限定して大学を選ぶのではなく、もっと視野を広げて考えられるようになり、北海道大学農学部を受験しました。
生物環境工学科への進学理由
農学部に入ったからには実際に農場へ出向いて農業や農業の基盤となる土や水について学びたいと思い、環境系の研究室がある生物環境工学科に決めました。また、高校時代のボランティア部の仲間と世界の食糧不足について話す中で、「自分にも何かできないだろうか」と考えていたことも進路に影響しています。生物環境工学科の土壌保全研究室ではラオスの焼畑農業の生産力向上を目的とした研究を行っており、私もその研究に携わりたくて生物環境工学科に進みました。
ここでよかった!北大で学べたことの喜び
大学3年次に1年間ドイツ留学をすると決めたとき、研究室の教授は応援してくださり、また帰国後も先生方のご理解のおかげで1年遅れることなく4年間で大学を卒業、大学院へ進学できたことには、心から感謝しています。北大生全員が明確な目標を定めて入学してこられる方ばかりではないはず。大学の中で何がしたいかを見つけ出す。そのために自分が興味を持ったことを実行できる環境というのは、本当にありがたかったです。
日清食品ホールディングスでの仕事内容
Nissin商品の基盤となる麺の研究をしています。小麦粉の違いや水量、麺の太さ、蒸す揚げるの工程の違いによって、麺の食感は大きく変わります。まだ1年目なので新商品の開発には携わっていませんが、「目標とする麺を作るためにはどのような条件にしたら良いのか」を考えられるようになるため、日々学ぶことが多く、楽しいです。大学の研究は「土」で、現在の仕事である「食品」とは全く関係がありませんが、大学時代に徹夜の実験やラオス山奥の過酷な環境下でのフィールド調査で培った気力根性と体力、何事にも「なぜ?」と疑問を持ち調べ確かめること、そういった研究姿勢が現在の仕事にも活かされていると思います。
これから進学する皆様へ
自分が望んだ進路に進む人がいる一方、努力の甲斐なく望んだ進路とは別の道に進む人もいると思います。でももし自分が望んだ進路に進めなくても道は繋がっていくし、これも何かの縁だと思ってその道で努力すれば、経験は自分の身になり成長できます。 また研究だけでなく、部活やサークル、課外活動、留学など興味があることはぜひ真剣に取り組み、大学生活を目いっぱい楽しんで成長してください!
職場では麺の研究に従事する棚橋さん。北大時代は競技スキー部やドイツ留学で人脈を広げ、「多いに刺激を受けました」と振り返る