「農業・土木・環境」すべてを網羅する農業工学へ
北海道大学農学部への志望動機
農学部であれば北大しかないと思っていました。札幌農学校以来の伝統と開拓精神、美しく広大なキャンパスに強く憧れました。日本の食料基地で自然豊かな北の大地、北海道そのものへの憧れもありました。
生物環境工学科への進学理由
私が高校生の時に「平成の米騒動」があり、国産米が食べられない経験は衝撃で、食料・農業について考えるきっかけになりました。同じ頃、建設会社のテレビCMで見た「地図に残る仕事」というキャッチフレーズに惹かれ、建設・土木の仕事にも関心を持つようになり、「地球サミット」からは環境保全と持続可能な開発への興味もわいてきて…北大にはこの「農業・土木・環境」すべてをカバーした農業工学(農業土木)という分野があることを知り、自分が進むべき道はここしかないと確信しました。
ここでよかった!北大で学べたことの喜び
北大では全国から集まったいろんな人に出会い、本当に楽しくて貴重な4年間でした。学科・研究室に分属してからは、農業水利学等の専門科目を受講し、今の仕事への思いをますます強くしました。また、先生方や同期の仲間からは多くのことを教えてもらいました。長澤徹明先生が講義中に紹介してくださった内村鑑三先生の講演録「後世への最大遺物」は、土木事業のすばらしさを伝えるとともに、今も私を勇気づけてくれます。
農林水産省での仕事内容
農林水産省に入ってからは、国産バイオ燃料の生産拡大プロジェクトや地方のかんがい排水施設(両総用水)の更新事業など、農業工学に関係する分野を中心に様々な仕事に携わってきました。現在は在コートジボワール大使館に出向して、内戦を脱して復興に取り組む同国への経済協力に関する仕事をしています。
これから進学する皆様へ
先が見えない、将来が不安などとよく言われますが、世の中は絶えず変化するもの。開拓精神に溢れる私たちの諸先輩は、少しでも良い世の中にしよう、良く生きようと、挑戦してきたと思います。北大農学部に集う皆さん、いつも前を見て、自分自身の道を切り拓いてください。そして、食料安全保障は永遠の課題であり、農地・農業水利施設は農業・農村に欠くことができない資源の一つです。興味をお持ちの方はぜひ農業工学について調べてみてください。
北大ではオリエンテーリング部に所属。トレーニングの一環として始めたランニングにハマり、北海道マラソンも完走した徳若さん