北大で農学を学ぶということ
“Iofty ambition”を受け継ぎ
グローバルに活躍する北大の農学
日本の農学教育研究の一大拠点である北海道大学の農学部、大学院農学院は、世界の農学分野をリードする数多くの指導者や研究者、傑出した企業人や文化人を輩出しています。北海道大学の歩みは1876(明治9)年、前身である札幌農学校の開校とともに始まります。以来、北の大地で育まれた農学のスケールは、国内屈指。世界に誇る豊かな環境が、ウィリアム・S・クラーク博士が唱えた”lofty ambition”(高邁なる志)を受け継ぐ幾多の逸材を輩出しています。
グローバルな農学を実践する7学科
多彩な専門分野で人類の課題にチャレンジ
国土570分の1が北大
世界に広がる多様な研究フィールド
札幌都心部に広大な緑のキャンパス
学際色豊かな日本を代表する総合大学
ハイレベルの教育研究を支える
北海道大学の共同利用実験施設
グローバルな農学を実践する7学科
多彩な専門分野で人類の課題にチャレンジ
135年という長きに渡る伝統が息づく
北海道大学の農学は、純粋科学と応用科学を統括した総合科学です。「 わが国最古の大学の一つ」にふさわしく、多彩な専門研究が可能な7学科56分野からなり「人類の生存を脅かす地球規模の諸問題」に取り組みます。
さまざまな角度から農学を学べる北海道大学だからこそ、卒業生が活躍する場は実に多彩です。 明治13年にわが国最初の農学士13名を輩出して以来、平成22年度まで約16,500人に及ぶ《農学の士》が日本だけでなく地球規模での人類生存基盤を支えています。
農学部7学科
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生物資源科学科
生物資源科学科の理念は、〈すべての生物は私たち人間にとって末永く共存し利用すべき貴重な資源である〉という点にあります。環境を乱すことなくこの資源を利用するためには、分子、細胞、生物個体と集団そして生態系まで幅広い視点にたって、その特性を理解する必要があります。
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応用生命科学科
応用生命科学科は、人間にとって価値ある生命現象を発見し、利用するため、特に生物生産にかかわる現象を遺伝子や分子レベルで探究する教育研究分野の集まりです。生命科学に対する社会的な期待が急速に膨らんでいる中、私たちは第一線でそれに応えることのできる人材の育成に力を注いでいます。
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生物機能化学科
私たち生物機能化学科では、〈バイオサイエンスとバイオテクノロジー〉を共通のキーワードとして最先端の教育と研究が行われています。本学科の研究分野は大変多岐に渡っています。植物、動物、微生物などの生物の示す生命現象の発現機構に関わる基礎的研究を通じて、食糧、健康、資源エネルギー、環境など、人類の生存にきわめて重要な基本的な課題を解決しようというのが、私たちの大きなねらいです。
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森林科学科
森林科学科では、自然科学と社会科学の両分野を基礎に、学内での講義や実験に加えて、広大な研究林を活用した野外実習により、森林とその生産物の利用について学んでいきます。森林と人間社会との調和のとれたあり方について考えています。
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畜産科学科
畜産科学科では、家畜と家畜をとりまく生態系における生命現象を明らかにし畜産物の有効利用を図ることを目指して、家畜の発生・成長から生産物の利用までを総合的に教育・研究しています。家畜という動物とそれを取り囲む環境をまるごと科学する集団が畜産科学科なのです。
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生物環境工学科
地球環境の悪化が叫ばれている今、将来を見据えた農業を行う必要性が出てきました。自然生態系と調和しながら持続的な生産を行うために、環境負荷のない農業を理工学的な見地から研究するのが生物環境工学です。
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農業経済学科
これからの時代、多様な農業形態を再評価しながら、人間と自然との共生を取り戻すことが求められています。そのための問題解決と新たな枠組みづくりを担っていくこと。これが農業経済学の役割であり、私たちの研究の目指すところです。皆さんは、本学科のさまざまなゼミナール活動に参加し、自分の研究課題に取り組みながら、幅広い知識と科学的な世界観を身につけることができます。
札幌都心部に広大な緑のキャンパス
学際色豊かな日本を代表する総合大学
農と環境が密接に関わりあうように、学び舎が学生に与える影響は、計り知れないほど大きなもの。その点、北海道大学の札幌キャンパスは道都札幌の中心部にあり、メインステーションであるJR札幌駅からも徒歩圏内という、全国でも恵まれた立地を誇ります。
また、北海道大学は日本を代表する総合大学でもあります。札幌キャンパスの1カ所に11学部(函館の水産学部を除く)が集結している《学際色豊かな学びの空間》です。1年生の総合教育部では、若者の好奇心を十分に満たすべく「一度は知っておきたい」学部の授業を選択できますし、得意分野以外の知識の習得や学部を超えた友達との出会いは、皆さんの学生生活を何倍にも楽しいものにしてくれます。
国土570分の1が北大
世界に広がる多様な研究フィールド
札幌キャンパスだけで約178ha、全国各地の関連施設を含めると合計約70,000ha にもなる北海道大学は、国土の約570分の1に相当します。研究フィールドは世界に広がり、スケールの大きな研究環境が、未来の農学を担う《伸びやかな大きな心》と《深く考える頭》を育みます。
北海道大学が尊ぶ「実学」では、《フィールドでの学び》を大切にしています。学内共同利用教育研究施設である「北方生物圏フィールド科学センター」では、16のフィールド施設を道内各地と和歌山県に配置。実習や実験、各論文の研究の場として活用されています。
国内随一の研究林をはじめとする広大な教育施設はもちろんのこと、自然相手に長い歳月を必要とするモニタリングなど、貴重な研究記録が今もなお更新され続けている点も、歴史ある北海道大学が所有するフィールドの特徴です。北大の農学を《世界の農学》たらしめる豊かなフィールドで意欲あふれる北大生の学びを後押ししています。
農学に関わる主な施設
開園125年で4,000種
植物の多様性を科学し保全するフィールド
クラーク博士の提言により1886 年に開園。13.3haの敷地内に約4,000種類の植物を展示・保存。 緑の芝生と広葉樹の林の他にロックガーデンや北方民族植物標本園、 温室、博物館などがあり、市民の憩いの場にもなっています。
植物園
日本最大の大学研究林
北方林を中心とした野外科学の研究・教育フィールド
天塩、中川、雨龍、札幌、苫小牧、檜山の道内6カ所と和歌山の合計は70,000haにも及ぶ「世界最大規模の大学研究林」です。 世界的にも貴重な温帯の森林や、北の大地に広がる多様な 河川、湖が見られ、たくさんの野生生物が棲んでいます。
森林圏ステーション・研究林
日本最大の大学研究林
北方林を中心とした野外科学の研究・教育フィールド
農学部隣接の第一農場と札幌キャンパス北側の第二農場、 そして、余市果樹園の合計64ha。《キャンパス内の歩いて行ける場所に農場がある立地》は、 農学を志す者にとって理想の環境そのものです。
生物生産研究農場
国立大学の中で最大規模
家畜生産と生態系を科学するフィールド
日高山脈の山麓に470ha。牛150頭、馬100頭を 飼養する国立大学の中で最大規模の牧場です。 生態系と調和した家畜生産についての総合的な教育研究が 年間を通じて行われています。
静内研究牧場
「知のフィールド」
農経図書室「ウエストコット・ライブラリー」
農学研究には欠かせない農学部図書室とは別に、本学の農業経済学科には独自の図書室があり、蔵書寄贈者の名前にちなんで「ウエストコット・ライブラリー」とも呼ばれています。
登録図書は約3万冊。専門の図書職員もいます。
(写真)農経図書館「ウエストコット・ライブラリー」の入り口には今も当時の看板が置いてある
ハイレベルの教育研究を支える
北海道大学の共同利用実験施設
北海道大学では電子顕微鏡やNMR など最先端の測定機器を備え、より高度な教育・研究を日々実践しています。
生物組織構造解析センター
学内屈指の画像解析装置を備えた共同利用施設です。8 台の電子顕微鏡をはじめ、共焦点レーザースキャン
顕微鏡やフーリエ変換顕微システム等の最新顕微装置を完備し、得られた画像情報を高精度の画像処理装
置IBAS やマクロカラー画像計測装置等で解析することができます。
GC-MS・NMR 測定室
高分解能質量分析計(GC-MS)2 台と高分解能核磁気共鳴分光計(NMR)1 台があり、主として生体中の
低分子有機化合物の精密な構造解析に利用されています。また、これらの分析機器を駆使して学部内外の
受託分析および共同研究を行っています。
生体高分子機能解析室
生命活動に必須な核酸やタンパク質などを対象に、それらの構造と機能の解析に用いるDNA シークエン
サーやプロテインシークエンサー、アミノ酸アナライザー等の精密機器類を備えています。これらの最先
端設備は研究・教育に広く活用され、生体機能の解明に役立てられています。