初代教授 松村松年によって記載されたウスバキチョウの北海道亜種
Parnassius eversmanni daisetsuzanus Matsumura

すべての昆虫群を対象とした分類学,系統学,形態学

あらゆる昆虫および陸棲節足動物を対象とした分類学,系統学,形態学の教育,研究を行っています.ここ10年ほどの学生の研究テーマに限っても,カゲロウ,トンボ,カワゲラ,バッタ,シラミ,アブラムシ,セミ,ウスバカゲロウ,シリアゲムシ,ハチ,甲虫,ガ,ハエ,クモと様々な分類群にわたって,記載分類,分子系統,形態進化等,多岐にわたる研究を行っています.教員が専門とする主な研究テーマは以下のようなものがあります.

交尾器の機能形態学とバイオメカニクス

交尾器の形は多くの分類群で判別形質としてよく使われているように,種特異的な形を見せることが良く知られています.なぜ交尾器は外部形質に比べ多様に進化してきたのでしょうか.その進化機構を明らかにするうえで,形とその機能性(形が如何に機能するのか)を紐づける作業は欠かせません.分類群にこだわらず交尾器の機能形態学とバイオメカニクス研究に取り組んでいます.同様の視点から,交尾器に限らない繁殖に関連する形態形質の進化にも取り組んでいます.

ジュズヒゲムシ目の体系学

近年の研究から,ジュズヒゲムシ目はバッタ・ゴキブリなどを含む多新翅類の中でも特に初期に分岐した目であることが明らかになってきました.多新翅類という大繁栄を遂げた分類群の進化を考えるうえで鍵を握る目といっても過言ではないジュズヒゲムシ目ですが,その多様性は種分類のレベルでまだ十分に明らかにされていません.汎熱帯性の分布を示す本目を世界中に追いかけて,新種記載,生態調査,交尾器・交尾行動の進化史解明に取り組んでいます.

シラミの寄生性の起源と進化

シラミは鳥類と哺乳類に外部寄生し,ケラチン質または血液のみを食物として,寄主の上ですべての生活・繁殖サイクルを完結する極めて特殊な昆虫です.シラミの起原と多様化の背景には,寄主である鳥や哺乳類の起源と多様化,栄養的に片寄った食物での生存を可能にする内部共生微生物との共生関係の成立,外部・内部形態の適応的大革新,宿主との共進化といった興味深いテーマがたくさん含まれています.

半翅系昆虫の系統と進化

半翅系昆虫は,咀顎目(チャタテムシ,シラミ),総翅目(アザミウマ),半翅目(セミ・カメムシ)から構成されます.半翅系昆虫には,寄生性の進化,口器や食性の多様化,跳躍や臭腺の進化等,他の昆虫には見られない特徴が見られます.記載分類を通した多様性の解明,分子や形態を用いた系統関係の解明,詳細な比較形態を通した特殊性の起源の解明等を目指しています.


昆虫体系学研究室では、昆虫の多様性や進化過程を明らかにする研究を進めています。昆虫体系学は100年以上の伝統を持った研究室で、大量に保管されている標本類を現在に生かした研究に特徴があります。北大総合博物館とも連携をとって教育・研究に当たっています。応用上重要な昆虫だけでなく、自然史的に興味深い昆虫であれば、どのグループを材料に選ぶこともできます。研究室では、教員、研究員、院生、学生がそれぞれ独自のスタイルで、分類学、系統学、遺伝学、生態学、あるいは行動学の観点から研究に取り組んでいます。フィールドでの調査から、微少昆虫の標本作製、飼育実験、実験室でのDNA実験まで、多角的な研究スタイルに特徴があります。

研究室紹介

昆虫体系学研究室は,1896年に松村松年を初代教授として開講され,昆虫を材料とした生物多様性の解明に取り組んできました。100年以上の伝統を持った研究室で、大量に保管されている標本類を現在に生かした研究に特徴があります。

北大総合博物館とも連携をとって教育・研究に当たっています。応用上重要な昆虫だけでなく、自然史的に興味深い昆虫であれば、どのグループを材料に選ぶこともできます。

研究室では、教員、研究員、院生、学生がそれぞれ独自のスタイルで、分類学、系統学、遺伝学、生態学、あるいは行動学の観点から研究に取り組んでいます。フィールドでの調査から、微少昆虫の標本作製、飼育実験、実験室でのDNA実験まで、多角的な研究スタイルに特徴があります。

詳細については、こちらから参照願います。



その他、研究員、学生については以下を参照願います。
https://www.agr.hokudai.ac.jp/systent/staffs.html


主な就職先・進路について

大学教員、博物館研究員、国公立農業研究機関、植物防疫所、環境アセスメント会社、一般企業


住所

〒060-8589 札幌市北区北9条西9丁目 北海道大学農学研究院昆虫体系学
吉澤和徳、松村洋子

電話・FAX番号

Tel 011-706-2424(吉澤和徳)
Tel 011-706-2480(松村洋子)

メールアドレス

psocid*agr.hokudai.ac.jp(吉澤和徳)
y-matsumuraagr.hokudai.ac.jp(松村洋子)