高品質・高収量水田自然農法の研究

 人類が持続的に健康に生存するためには,健全な物質循環と生物多様性の上に農業を営むことが不可欠です。本研究では,稲と多様な生物の良好な共生関係を活用して,自然の養分循環を効率的に利用する水田農法により,高品質・高収量米を生産する方法を確立し,健全な物質循環と生物多様性を回復することを課題としています。

農地土壌の保全整備

 持続的で,自然の豊かな恵みをもたらす農地土壌を保全整備する方法について研究します。特に,作物生育,品質と土壌物理性,物質循環,水循環の視点から,農地での丹念な測定を積み重ねて技術的対策を明らかにします。また,そのために,関連する基礎研究の理論的・実験的な成果を適用します。

土壌を科学する

 土壌は,砂や粘土などの無機物,生物由来の有機物,ヤスデやミミズなどの小動物,カビやバクテリアなどの微生物,水,空気で構成されます。このバラエティーに富むにぎやかな空間で起こっている諸現象とその中の物質の特徴を,土壌物理学,熱力学,物理化学,コロイド科学の視点から探求します。

土壌・水・大気環境対策

 土壌をめぐる循環の輪を,健全な状態に維持保全するための土壌・水・大気境対策を研究します。フィールド調査や実験で得た結果を理論的に考察し,汚染物質や温室効果ガスの移動・生成機構を明らかにし,浄化対策や環境汚染対策を検討します。

 


~土壌をめぐる循環の輪と農業・環境~

作物は、大気中から二酸化炭素として取り入れる炭素以外の元素は、全て土壌から吸収しています。したがって,人が摂取する元素も,土壌の成分が元になります。人の命と健康は,良い土壌の上に育った健康な作物を食べて維持されます。また,植物も動物も、死ぬと土壌生物の働きで土に返ります。地球上の多くの生命が,土壌をめぐる循環の輪の中で活動しています。しかし,近代文明は,地球規模の環境破壊をもたらし,人類の営みが,命を育む農地や土壌を傷つけ,水と大気の環境を悪化させています。人類がこれからも豊かな自然の恵みを受けていけるように,土壌をめぐる循環の輪を,健全な状態に維持保全する必要があります。土壌保全学研究室では,その基礎となる教育研究を行うため,土壌を物理学的視点から科学するとともに,健全な物質循環と自然農法の研究,作物生育に良好な土壌環境の保全整備に関する研究や,土壌・水環境対策に関する研究をしています。



学生

博士課程

周 之舵(2年)
朱 顔(1年)

修士課程

永濱 慎二(2年)
小林 徹平(1年)

学士課程

諸岡 世大
横田 裕章
大木 優菜
弘中 萌奈
芳澤 耀亮


住所

〒060-8589 北海道札幌市北区北9条西9丁目 北海道大学大学院農学研究院
基盤研究部門 生物環境工学分野 土壌保全学研究室

電話・FAX番号

Tel : 011-706-2565(濱本)
Tel : 011-706-3641(柏木)
Fax: 011-706-2494

メールアドレス

shoichi*agr.hokudai.ac.jp(濱本)
kashi*agr.hokudai.ac.jp(柏木)
*は@に変更のうえお送りください。

研究室サイト

http://lab.agr.hokudai.ac.jp/env/soilamelio/