研究内容

主な研究内容について

我々は実験動物や細胞培養系を用いた実験を基盤として、主として消化管とその関連臓器の機能に及ぼす摂取食品や管腔内成分の作用とそのメカニズムについて研究を行っています。

様々な食品成分が消化管でどのように感知され、吸収され、体にどう影響するか、また、その作用メカニズムを、培養細胞、動物組織、動物個体を用いた実験により明らかにすることにより、ヒトの健康維持に貢献することを目指します。

消化管は、 栄養素の吸収や外来物質に対するバリヤ機能など、一見相反する役割を同時にこなしています。このような消化管の機能において、粘膜に存在する上皮細胞が主要な役割を果たしますが、消化管粘膜にはそれ以外にも多様な細胞が存在しています。

これらの細胞群がそれぞれの役割を担うことで、消化管機能が発揮されると考えられています。このような消化管機能の破綻は病気の発症にかかわると考えられており、環境要因としての食事は消化管機能に影響を及ぼすことが明らかになりつつあります。

最近の研究テーマ

  • 食物繊維やオリゴ糖によるミネラルおよびフラボノイド吸収促進機能(原)
  • 生理活性脂質による生活習慣病予防(原)
  • アミノ酸による膵タンパク合成促進機構(原)
  • 消化管バリア機能に関与する因子の解明(原、石塚)
  • 胆汁酸に対する生体応答(腸内菌、宿主)(石塚)
  • 亜鉛欠乏が慢性炎症の発症に及ぼす作用とそのメカニズム(石塚)
  • 消化管における各種食品成分(食品ペプチド、糖質、その他)の感知メカニズム解明と、消化管ホルモン分泌を介した生理機能(比良)
  • 食事誘導性肥満、耐糖能障害発症における消化管内分泌系の関与(比良)
ラット小腸でのCCK産生細胞の免疫組織染色画像

消化管ホルモンコレシストキンン(CCK)を産生する細胞(矢印)が小腸絨毛に散在します。この細胞が管腔内の食品成分を認識して、漿膜側にホルモンCCKを放出し、膵臓からの消化酵素分泌促進、胃排出抑制、満腹感誘導などを誘導します。


業績

学術論文(原)
学術論文(石塚)
学術論文(比良)

受賞実績

  • 2017年5月(柳原 くるみ、修士2年)
    第71回日本栄養・食糧学会大会 学生優秀発表賞
  • 2017年5月(堀 将太、修士2年)
    第71回日本栄養・食糧学会大会 学生優秀発表賞
  • 2016年11月(早川 真輝、修士1年)
    日本食物繊維学会21回学術集会 発表賞
  • 2016年11月(東森 はるか、修士1年)
    第23回日本未病システム学会学術総会 最優秀演題賞
  • 2016年11月(趙 佳賢 (ジョ ガヒョン) 、博士3年)
    平成28年度日本農芸化学会北海道支部 学生会員奨励賞
  • 2016年9月(尾山 真菜実、修士1年)
    日本応用糖質学会平成28年度大会 ポスター賞
  • 2016年5月(早川 真輝、修士1年)
    第70回日本栄養・食糧学会大会 学生優秀発表賞
  • 2015年11月(清水 英寿、特任講師)
    第13回(平成27年度)日本農芸化学会北海道支部 奨励賞
  • 2014年11月(久米 駿介、修士1年)
    日本食物繊維学会第19回学術集会 発表賞
  • 2013年11月(岩谷 一史、博士研究員)
    第11回日本農芸化学会北海道支部 学生会員奨励賞
  • 2013年11月(田中 誠也、修士1年)
    日本食物繊維学会 日本食物繊維学会第18回学術集会 発表賞
  • 2013年11月(比良 徹)
    日本アミノ酸学会 2013年度日本アミノ酸学会 科学・技術賞
  • 2012年12月(菊地 慧大、修士1年)
    第18回 Hindgut Club Japanミーティング 奨励賞
  • 2012年11月(池江 明日香、修士1年、井邊 宗一郎、修士2年)
    日本食物繊維学会 日本食物繊維学会第17回学術集会 発表賞
  • 2012年9月(比良 徹)
    The 25th Anniversary of the Discovery of GLP-1 symposium Young Investigator Abstract Competition
    Honorable Mention
  • 2012年5月(比良 徹)
    日本栄養・食糧学会 平成24年度日本栄養・食糧学会 奨励賞
  • 2011年11月(樋口 謹行、修士1年)
    日本食物繊維学会 日本食物繊維学会第16回学術集会 発表賞
  • 2011年11月(岩谷 一史、博士2年)
    International Society for Nutraceuticals and Functional Foods Poster Award
  • 2011年5月(原 博)
    日本栄養・食糧学会 学会賞
  • 2010年12月(藤井 暢之、修士1年)
    第16回 Hindgut Club Japanミーティング 奨励賞
  • 2010年11月(藤井 暢之、修士1年)
    日本食物繊維学会 日本食物繊維学会第15回学術集会 発表賞
  • 2010年11月(原 博)
    日本食物繊維学会 学会賞
  • 2010年9月(村松 茉耶、修士2年)
    日本アミノ酸学会 日本アミノ酸学会第4回学術大会 ポスター賞
  • 2010年9月(中島 進吾、博士2年)
    The 18th International Symposium on Regulatory Peptides Poster Award

メンバー紹介


OB・OGの進路

主な就職先・進路について

修士課程修了者

雪印メグミルク株式会社、日本たばこ産業 医薬総合研究所、株式会社浅井ゲルマニウム研究所、イトウ製菓株式会社、一般財団法人日本食品分析センター、生化学工業株式会社、キリン株式会社、三菱電機株式会社、クインタイルズ・トランスナショナル・ジャパン株式会社、森永乳業株式会社、三井物産株式会社、田辺三菱製薬、アジレントテクノロジー株式会社、中外製薬株式会社、株式会社J-オイルミルズ、ライオンハイジーン株式会社、花王株式会社、日本放送協会、北海道立総合研究機構、田辺三菱製薬株式会社、丸石製薬株式会社、三菱商事フードテック株式会社、カルビー株式会社、全国農業協同組合連合会、アイズ・イノベーション株式会社、株式会社ベネッセコーポレーション、エスビー食品株式会社、日本学術振興会特別研究員、協同乳業株式会社、北海道旅客鉄道株式会社、ピアス株式会社、雪印乳業株式会社
ピカソ美化学研究所、森永乳業株式会社、一般財団法人日本食品分析センター、武田薬品工業株式会社

博士課程修了者

北海道大学、天使大学、藤女子大学、日本大学、広島大学、岩手大学、国立精神・神経医療研究センター、The La Jolla Institute for Allergy & Immunology (USA)、The Scripps Research Institute(USA)、北海道文教大学、東洋大学


沿革

食品栄養学研究室は農芸化学科設置(1907)と同時に農芸化学第二講座(食品栄養化学、家畜飼料化学)として創設されました。

初代は大島金太郎教授で、家畜飼料や食品の分析的な研究を行いました。その後、高橋栄治教授(1924~46)が水産専門部より移り、道産農水畜産物の食品化学的研究を行いました。伊藤信夫助教授(1946~58)、伊藤光治教授(1958~59)の間は脂肪関連物質、不飽和ケトンや有機硫黄化合物についての研究が行われました。伊澤正夫助教授(1961、62~80 教授)となり、生化学的あるいは有機化学的な手法を用い食品成分中特に植物の成分分析、植物の炭水化物代謝と酵素の関係に関する研究を行っていました。その後、桐山修八教授(1982~94)を迎え、実験動物を用いた栄養生理学的な手法を用いた研究を重点的に行うようになりました。特に食物繊維の生理作用に関する研究は内外によく知られています。

現在の研究室の特色はこの時期から形成されたと言えるでしょう。その後、葛西隆則教授(1994~97)、青山頼孝教授(1997~2003)となり、実験動物を使った栄養生理生化学的な個体レベルの研究を中心に行ってきました。現在、原 博教授(2003~)となり、これまでに得られた個体レベルの現象をベースとして、その機構を明らかにするべく培養細胞等を用いた細胞・分子レベルでの研究を行っています。


連絡先

住所

〒060-8589 札幌市北区北9条西9丁目北海道大学大学院農学研究院食品栄養学研究室

電話・FAX番号

Tel 011-706-2811

メールアドレス

shokuei*chem.agr.hokudai.ac.jp

研究室サイト

https://www.agr.hokudai.ac.jp/nutrbiochem/