動物生態学研究室
研究内容
さまざまな動物の自然界での生命現象を対象に、進化生態学、集団遺伝学、個体群生態学、行動学やエコ・ゲノミクスなどの多角的アプローチを用い、その進化的要因・機構を解明しています。 進化、というと一見我々の日常生活とは関係のない話に聞こえますが、実際には現在の生物種や生態系は複雑な進化の過程を経て形成されており、また近年の研究では環境適応に伴い非常に速い速度で進化(個体、集団レベルでの遺伝的な変化)がおこることも分かりつつあります。 本研究室ではフィールドサンプリング、DNA解析、飼育実験やコンピューターシミュレーションを駆使してこのような現象に取り組み、野生動物の生態進化への理解を深めるとともに保全のあり方についても一石を投じていきたいと考えています。
本研究室では、動物の生態を中心に、進化、生態、行動、保全などの研究を、フィールドからDNAまで幅広く研究しています。
- 動物の自然界に見られる生命現象と生物多様性の生態学的研究
- 野生動物の環境適応と人為的環境改変のもたらす影響に関する進化保全学的研究
- 動物の行動の行動学的説明と社会構造化の進化機構研究
研究室の特徴
研究室では主に生物個体や集団レベルの現象を扱いますが、生命現象の本質的理解を目指すため遺伝子レベルから生態系レベルまで、幅広い生命科学分野を対象にします。DNA解析、化学分析、モデリングや飼育実験などあらゆる研究手法が使われています。週1回のゼミが持たれ、論文のレビューや各自の研究内容についての活発な討論がおこなわれます。ゼミ以外でも学生が教員と気兼ねなく議論できる雰囲気があり、日常的にコーヒーなど飲みながら研究以外のことについてもさまざまな話題で盛り上がります。学生には研究室内外でのオープンで内容の濃い議論を通して、研究遂行能力のみならず将来実務的な職業に就いた場合の論理的思考力、自分の考えや意思を正確に伝えるプレゼンテーション能力を養ってもらいたいと考えています。また、科学の共通言語である英語でのコミュニケーション能力育成にも力を入れています。 (Japanese and non-Japanese members are both welcome to join our lab!)
研究室の日頃の様子について
フィールド調査や毎年恒例となりつつある厚岸・知床への調査合宿はもちろん、日常的に研究や就職の事、日々の生活の事などざっくばらんに話ができる研究室です。
業績
メンバー紹介
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学位 博士(理学) 専門 生態進化学、集団遺伝学 農学部担当 生物資源科学科 | 動物生態学 農学院担当 農学専攻 | 環境フロンティアコース | 生態・体系学ユニット 研究テーマ 魚類をはじめとする野生生物の環境適応と遺伝的多様性の維持メカニズム
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学位 博士(理学) 専門 動物生態学・進化生物学 農学部担当 生物資源科学科 | 動物生態学 農学院担当 農学専攻 | 環境フロンティアコース | 生態・体系学ユニット 研究テーマ さまざまな動物の進化生物学、特に社会性昆虫の社会システムの進化
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学位 博士(理学) 専門 動物生態学 農学部担当 生物資源科学科 | 動物生態学 農学院担当 農学専攻 | 環境フロンティアコース | 生態・体系学ユニット 研究テーマ 湖沼堆積物中の環境DNAを用いた近過去復元、環境DNAに関する研究
沿革
研究室名の変遷
動物学昆虫学養蚕学第一講座→応用動物学教室→動物生態学研究室
歴代教授(抜粋、敬称略
- 初代:J.C. Cutter (札幌農学校最初の動物学講義、漁業・養魚技術教育)
- 第五代:八田 三郎(ヤツメウナギの発生学、北方系動物の生物分布)
- 第七代:犬飼 哲夫(脊椎動物発生学、後に哺乳類の応用動物学)
- 第九代:森 樊須(ハダニ類の応用動物学)
- 第十代:阿部 永(トガリネズミ類をはじめとする哺乳類の生態学)
- 第十一代:齋藤 裕(ダニ類の応用動物学)
- 現職:荒木 仁志(主に脊椎動物の進化生態学)
連絡先
住所
〒060-8589 札幌市北区北9条西9丁目
北海道大学大学院農学研究院 生物資源科学分野 動物生態学研究室
電話・FAX番号
Tel & Fax: 011-706-3893(荒木仁志)
Tel : 011-706-3690(長谷川英祐)
Tel : 011-706-2485(坂田雅之)
メールアドレス
荒木仁志:arakih*agr.hokudai.ac.jp
長谷川英祐:ehase*agr.hokudai.ac.jp
坂田雅之:sakata*agr.hokudai.ac.jp
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