農資源経済学研究室
研究内容
世界の人口が増え続ける中、農業技術開発による食料増産は重要な課題であり、とりわけ品種改良による農地の生産性向上や気候変動への対応は急務です。一方で、品種や遺伝資源をめぐっては、各国や多国籍企業が主権や知的財産権を主張し、自由な交換が妨げられるなど、憂慮すべき課題も山積しています。持続的な農業生産に向け、今後求められる農業技術と、それを実現するための研究開発の制度・政策について、経済学の視点からアプローチしていきます。
業績
論文発表
- 岡千尋, 齋藤陽子, ティ・フオン・ドン・クウ (2020), メコンデルタにおける塩害下でのリスクマネジメント-労働移動と複合経営に着目して-, 開発学研究,31巻1号(2020).
- Chisa NAKAMURA, Yoko SAITO, Thuzar SHWE (2020), Childhood Health and Mother Empowerment in Rural Myanmar, Japan Agricultural Research Quarterly, 54(3),
pp.253-262. - 小西雄大・大木村太軌・高松陸・齋藤陽子(2020),ミャンマーの世帯内水管理と母親の教育,農経論叢73, pp. 23-30.
- Thi Phuong Dong Khuu, Yoko Saito, Naoki Tojo, Phuong Duy Nguyen, Thi Ngoc Hoa Nguyen, Takashi Fritz Matsuishi (2019), Are Consumers Willing to Pay More for Traceability? Evidence from an auction experiment of Vietnamese pork, International Journal of Food and Agricultural Economics, 7(2),pp.127-140.
- 齋藤陽子(2018) 小麦遺伝的基盤の多様性と品種改良への貢献 ―農業生物資源ジーンバンクデータの分析から―,フロンティア農業経済研究, 20(2), pp. 82-95.
- Yoko Saito, Sasakawa, Y., Tabei, Y., Ito, S. (2017) Health-Risk Concerns vs. Medical Benefits of the GM Technology, AgBioForum,20(1), pp. 46-53.
- Saito H., and Saito, Y(2013). Motivations for local food demand by Japanese consumers: a conjoint analysis with reference-point effects. Agribusiness:An International Journal 29, pp. 147-161.
- Saito Y., Saito H., Kondo T., and Osanami F (2009) Quality-oriented technical change in Japanese wheat breeding. Research Policy 38, pp.1365-1375.
著書
- 齋藤陽子 「小麦品種改良の経済分析―その変遷と品質需要対応―」,農林統計協会,2011.
受賞
- 2012(平成24)年3月 学術賞 (北海道農業経済学会)
メンバー紹介
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学位 博士(農学) 専門 農業経済学・開発経済学 農学部担当 農業経済学科 | 農資源経済学 農学院担当 研究テーマ 遺伝資源の多様性と農業生産の発展に関する研究、 新品種の農家採用意向と消費者受容に関する分析、 遺伝資源の利用から生じる経済的便益の配分に関する研究
沿革
農業の研究開発(R&D)における効率性、新技術の普及と社会実装に関して経済学によって分析することを目的に2014年1月に開設されました。