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2017.01.17

プレスリリース「わずか1日の調査で魚種の8割を検出 ~海水からのDNA解析法で~」(動物生態学研究室 荒木 仁志 教授)

 これまで水の中の生物を調査するには大変な困難が伴っていました。特定の生物ではなく、ある水域に生息する生物全体を調査するとなると尚更です。私たちは、水の中に含まれる生物由来のDNAを解析することで、簡便にその水域の生物相を把握する方法を見つけました。

 
図1.png

 この手法は「環境DNAメタバーコーディング」と呼ばれ、生物から剥がれ落ちた細胞に含まれる僅かなDNAを検出する技術です。水をすくうだけ、という簡易な方法でサンプリングが出来るので、手間を省けて大規模な調査ができるだけでなく、誰がやっても同じ結果が得られ、外見では区別しにくい稚魚なども容易に判別できる、というメリットもあります。今回、京都・舞鶴湾で実施された調査でも、わずか一日に47地点の採水を行い、100種を超える魚種の湾内分布を把握することが出来ました。これは同地区で長年にわたる潜水目視調査を行った結果の8割近くに及ぶ種数です。

 この研究により、魚種が多い場所でも、短期間で多地点の魚類相を環境DNAメタバーコーディングにより調べられることが明らかになりました。今後は広域にわたる外来種の侵入や分布拡大の調査、アクセスが難しい深海や地底湖などの生物相や生物多様性が、この手法を用いて明らかになることが期待されます。

公表雑誌:Scientific Reports, doi:10.1038/srep40368
北大プレスリリース http://www.hokudai.ac.jp/news/170113_pr.pdf

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