1954/09 札幌生まれ
1973/03 北海道札幌西高校卒業
1977/03 北海道大学農学部農芸化学科卒業
1979/03 北海道大学大学院農学研究科農芸化学専攻修士課程修了
1980/09 同博士後期課程中退
1980/10 北海道大学農学部助手(農芸化学科農薬化学講座)
1984/09 北海道大学農学博士
1985/04 〜 1987/03 オーストラリア国立大化学科博士研究員
1992/04 北海道大学農学部助教授(生物機能化学科食品機能化学講座)
1999/04 北海道大学大学院農学研究科助教授(応用生命科学専攻食品科学講座食品機能化学分野)に配置換
2002/08 同教授、現在に至る
食品は従来はエネルギー源や体をつくる成分として評価されていましたが、近年このような栄養機能以外に、生体の生理機能を調節する役割をになっていることが明らかになりつつあります。以前は栄養的に無価値と思われていた食物繊維に、消化管のガン発生を抑える働きや血中コレステロールを下げる作用があることが認められるなど、このような食品の新しい機能性がさかんに研究されています。
私の研究グループでは、主として有機化学および生物化学的手法を用いて、食品中から新たな生体調節機能成分を探索し、その性質や働きを明らかにすることを目的としています。
食品中のa-グルコシダーゼ阻害成分:デンプンやショ糖などの糖質は消化管内のa-グルコシダーゼの働きでグルコースなどの単糖へ加水分解され、小腸粘膜から吸収されます。このa-グルコシダーゼの活性を抑制することは、食後高血糖の軽減、肥満防止などに効果的です。現在、小腸スクラーゼ、マルターゼ、膵液a-アミラーゼの活性阻害物質を、杜仲茶、ネギ、オウゴン、トウチ、クローブ、ロゼルティー、ステビアなどから単離し、その構造を明らかにするとともに構造活性相関および作用機構の解明をめざしています。
食品中のアセチルCoAカルボキシラーゼ(ACC)阻害成分:ACCは脂肪酸合成の律速酵素であり、その活性の抑制は脂肪合成の低下、すなわち肥満の軽減につながります。ACC阻害成分を緑茶、トウガラシ、アボカドなどから単離し、その構造研究を行っています。
ポリフェノール類の抗酸化機構:食品中の抗酸化成分は、老化、発ガンなどの引き金となる活性酸素の傷害作用から生体をまもる働きがあり、なかでもお茶や赤ワインなどの植物ポリフェノールの活性が注目されています。現在、お茶カテキンおよびモデル化合物としてのフェノールカルボン酸の抗酸化作用の分子メカニズムを、種々の機器分析および合成的手法で解明に取り組んでいます。
近年のNMR(核磁気共鳴法)の進歩は著しく、化学にとどまらず医学、農学など多方面の分析に大きな威力を発揮しています。有機化学分野に限ってみても、そのハード、ソフトの技術革新によって以前では不可能であった複雑な分子の構造が容易に解析できるようになっています。しかし、既存の手法では解決のつかない問題もまだたくさん残っており、私たちは、新しい測定法を開発することによってこのような問題の解決法をさぐる試みを続けています。
効率的editing法の応用:複雑に重なったシグナル領域を炭素ステイタスによるeditingでシグナル分離および高分解能化して解析を容易にする方法です。
CC観測による超遠隔相関法:HMBC法など通常の異種核遠隔相関法ではH-C-C-Cより遠い関係は観測できません。遠隔CC相関を利用した4結合以遠の相関を得る方法です。