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はじめに: 山採りについては、現在もいろいろな考え方があります。 植物の将来や園芸文化の将来を考えていくときに、山採り問題は避けては通れません。 まず、山採りにまつわる様々な事実や考え方を知ることが必要です。 この原稿は、現在の様々な意見を、ひとつに偏ることなく紹介することで、 「原稿を読んでいただいた方に事実を知って頂き、 自分でどうするべきか考えて行くための材料としてほしい」 という意図で書かれたものです。 |
山採り(山取り)と山採り問題 ●山採りとは 野山に自生している植物を採取することで、種子や挿し穂を採ると云った部分的な 場合も含みます。あるいは山採りによって採取された植物体(山採り株)を指すこともあります。 ●最近の傾向 環境破壊が進んで自然に生えている植物が減っている現在、自生している植物を採 取して減らすような行為は慎みましょうと云うことで、学術目的や自生地の回復を目 的とした増殖親用として公的に許可された場合を除いて山採りを禁止する方向に動い てます。山採りが法的に禁止されている地域もあり、その場所で採取すれば法律で罰 せられます。 ●山採りの被害 売買を目的に山採りを行う業者もおり、購入時には注意しなければなりません。 趣味家が採取することによって絶滅の危機に瀕している植物もあります。 以前、野生蘭などで一大ブームになり価格が高騰したものでは、珍品ねらいのマニア以外に、 一儲けをねらった業者によって根こそぎ持って行かれて消滅した自生地もあります。 近年は普通の人が深く考えずに「きれいだから」と持っていくことが増えて問題 になっています。 ●さまざまな意見 ただ、趣味家の間には種子のみ、あるいはもう一歩進んで挿し穂と云った部分的な 採取は認めてもよいのではないかと云う意見も根強くあります。種子等の部分的な採 取は趣味家の間で良心的な採取方法として伝統的に行われており、植物を丸ごと掘り 取っていくのとは違って自生している植物の数を減らさないので問題がないと云う理 由です。これに対して、人が自生地に入り込み踏み荒らすことにより環境を悪化させ るのでよろしくないと云う意見もあります。この点は植物を採取しない写真撮影など でも問題になっており、十分に考慮する必要があります。また、野生の植物の採取・ 栽培は理由を問わず一切禁止すべきだと云う過激な意見もあります。 開発などで失われることが明らかな場所での山採りは認められるべきだと云う意見 もあります。開発予定地の動植物を別の場所に移して保護する活動も行われていま す。この場合、個人の趣味の対象として栽培してもよいのか、自然に戻すなり公的機 関が管理することに限定すべきか意見がわかれています。 また、現存する山野草の銘品の中には自然に育つには性質が弱く、そのままにして おけば消滅していたところを山採りで人間が栽培することによって保存されてきた品 種もあります。このことは山採りを肯定する根拠にはならないでしょうが、園芸文化 を豊かにすることに一役かっていることも事実です。 ●あなたも山採りについて考えてみてください 山野草に限らず、すべての植物は元をたどれば山採りです。 人の手で作られた園芸品種も、交配の大元となった株は山採りです。 それが何百年前のことであろうとも。 環境を破壊して植物を絶滅に追いやるような採取は厳に慎むべきですが、感情的に山 採り禁止を唱えることは園芸を根本的に否定することにもなりかねません。何が許さ れて何を禁止すべきかは、植物の自生状況をみながら常に考えていかなければなりま せん。野生の植物が絶滅しないよう、園芸に関わる人々の責任ある行動が求められています。 マエカワ@船橋市 ********************* ●<参考>種の保存に関する法律などのページ http://www.keea.or.jp/qkan/hourei.htm http://www.keea.or.jp/qkan/lawshunohozon.htm http://www2.justnet.ne.jp/~kenjim/hourei_all.htm http://www.biodic.go.jp/J-IBIS.html http://www2u.biglobe.ne.jp/~gln/30/3044.htm ********************* |