2000年11月11日 園芸品種の保存(講演会要旨)
(CBG−ML No1367 投稿)
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みなさん、こんにちは、こやま@千葉です。
昨日、植物と文化を考える会主催の講演を聴いてまいりました。
テーマは、『園芸品種の保存』です。
以下、その概要を報告します。(ちょっぴり長文です)
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筑波実験植物園 研究官
遊川 和久 氏 講演要旨 (文責
小山)
日本に導入された栽培植物は約13万種、そのうち3万種がすでに
失われています。この貴重な植物資産(遺産)を、次の世代にどう
引き継いでゆくか?
その目的、方法についての一般論が示されました。
【1】
なぜ伝えるのか
地球の生物は、多様性があるからこそ生存できるという、環境倫理
の考え方が浸透しつつあります。
このため、この多様性を維持することが、必要になってきています。
・人間が生存するためには、生物資源を保全しなければならない。
・生態バランスを保全し、食物連鎖の欠如を防がねばならない。
・一度失われると、再現することができない。
【2】
何を伝えるか(=何を伝えないか)
・野生種 全て包括的に残す。
・雑種
親があれば再現可能なので、優先度低い。
・園芸品種
染色体の構造変異や突然変異が現出している品種
は優先度が高い。(再現が難しい品種)
園芸文化史的にエポックメーキングになった品種も
残す必要があろう。
何を伝え、何を残すかという、取捨選択の方法論を構築することが
大切になってくる。
【3】
誰が伝えるか
・植物園
主として種の網羅的な保存(多様性の維持)
・ジーンバンク
主として作物の長期保存(人間生存の基本)
・研究機関、企業 短期保存
・NGO、個人
特定の種類(興味のある植物)
【4】
どうやって伝えるか(技術的側面)
自生地保存がベストであるが、次善としては施設利用となろう。
・種子の保存 種子バンクや遺伝子プールなど
・多くの個体保存
多くの植物園が協力する必要がある。
1種1個体では不確実である。
・劣化、雑種化、ウイルス対策
組織培養の委託機関が必要であるし、アドバイス
のできる場がなければ機能しない。
・学名の検証 植物園、大学などの協力体制が必要である。
・データの維持管理 出生〜系統といったソースを把握する。
【5】
どうやって伝えるか(実務的側面)
・団体、個人ごとに保全対象を決める。調整機関が必要。
・データベース(チェックリスト)を作るだけで相当効果的である。
・植物コレクションの引継方法の確立。調整機関が必要。
・技術的問題をサポートする場や、学名を同定する機関が必要。
【6】 総括
・とりあえず何かを進めてみる、実践することが大切。
・無駄をなくすため、情報は開示されなければならない。
・調整機関の設置、各植物関係協会等の連携が必要。
調整機関については英国のRHSが、個人園芸家による保存支援に
ついては、英国のNCCPGが範となろう。
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とってもためになるお話でしたし、CBGの目的にも合致する点が多いと
思いました。ベコニア協会、薔薇協会、スミレやペチュニアの育種家からの
質問や現状報告などもありましたが、まだまだ保存への入り口に立って、
あまりの品種の多さに絶句している状態でした。
まずは、現状把握のリスト作りから始めている現状です。種や個体がどれだけ
あって、それがどこにあるのか、手探りで初めているところです。
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